ものづくり事業部

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  2. 執筆者:渡邉 勝次

執筆者:kwatanabe

第23回 「農業未来年表」

信頼できる人口予測によれば、2100年、日本の人口は明治維新の頃の3300万人に限りなく近づき、高齢化率は40%を超え、東洋の小国に逆戻りする。一方、インド15億人、アルジェリア8億人と人口爆発し、移民の国米国は4億人、美・食・愛の国フランスは7000万人に拡大する。中国は3億人減少して10億人規模となる。
地球温暖化は進行しており、2℃上昇すると、インド、アフリカ、中国等、砂漠化が拡がり、干ばつによる食糧危機が起こるとみられる。

さて、近未来の日本の農業について述べてみよう。農家数は、現在の3分の1以下、42万戸程度に減ると推測した。

農家数推移予測農業産出額は、2014年8.4兆円、1984年11.7兆円、生産農業所得は、2014年2.8兆円で、1984年4.5兆円と、大きく低下している。現在の状況としては、助成金、補助金等政策的な拠出金は、4兆円近くになる。食料自給率はカロリーベースで39%と、日本の基本穀物の生産高は、途上国に輸出できる状態ではない。   

現在就農者の平均年齢は67歳になっている。先進国のフランス、ドイツ、米国等の農業経営者の平均年齢は40、50代半ばで、農産物市場は開放されており、商品開発がしっかりしている。しかし、日本の40、50代層は、青年期に消費社会を迎え、就農するより会社員生活を選んだ。都市近郊農家では多くが兼業農家になった。
おそらく、10年後には就農者数は激減し、このままでは農業産出額は国民の需要を満たせなくなるほど低下してしまう。将来の日本は、食料輸入がひっ迫し、戦後のような食糧危機の再来が懸念される。

今、日本農業は転換期、イノベーションが必要とされている。しかし十分対応できていない。
45歳までの新規就農支援制度で、農業に取り組みやすくなった。3年間の所得補償、低利の貸付等、農業に参入する環境は整っている。しかし、途中で離農する者も多い。定着するのは1万人程度である。
農業は、新しい仕組みを取り入れ、脱皮しなければならない。大規模化、六次化、生産性向上といった農業改革に迫られている。新しい時代の農業は、家業から農業ビジネスに転換しなければ成り立たない。様々な農業ビジネスモデルが生まれると予想できる。その萌芽として、二つの事例を紹介する。

一つ目は、、イオンアグリに代表される。全国に圃場や次世代園芸施設を有し、生産から販売まで一貫したリテール型(製造小売)農業モデルを展開している。似たモデルとして、ワタミ、カゴメがある。どのような農産物がいつどれくらい必要なのか、そのためにどうするのかといった基本的なことがビジネスモデルに組み込まれ、農業ビジネスとして、さらに進化しつつある。
二つ目は、 地産地消六次産業型農業で、各地に、特徴的な成功事例が続出している。地域の生産者が、その地域に適した農産物、伝統的に作ってきた農産物を、その地域の消費者に適した商品として提供するビジネスモデルで、新鮮さや風土になじんだ美味しさが、地域還流の経済にも適している。地域ごとに、お金が落ちて、地域の中で回る経済が、地域の活性化にも貢献している。
以上、二つのモデルは、マーケティングを主流にしたビジネスモデルで、大きくとらえれば、これからは顧客志向型農業をめざすべきといえる。以上、将来の主流となる農業のモデルを示した。

第8回 中小製造企業とIT(渡邉勝次)

中小企業白書でITの活用が取り上げられてから久しい。ITの活用というと、電子メールや自社ホームページの開設、インターネットバンキング、自社サイトでの製品販売などがイメージされます。ここでは中小製造企業とITの関連で、ものづくり支援補助金事業の事業類型にあるIoTとは一体どのようなものを想定しているのかを考えてみました。

 中小企業庁は平成27年度ものづくり補助事業の対象として、「IoT等の技術を用いて生産性向上を図る設備投資等を支援。」と説明しています。例として「あらたに航空機部品を作ろうとする中小企業が、既存の職人的技能をデータ化するとともに、データを用いて製造できる装置を配置。」としています。
昔から普及しているNC装置や自動機械の導入でも「IoT等の技術」に含まれる幅広い内容で、国の施策としては、実に寛大な定義であると思えます。
施策の背景には、中小企業の人手不足と設備の老朽化がすすんでいることが考えられます。中小企業の設備年齢は、1993年のデータと比べて2倍近く老朽化しています。実際、設備投資額の推移をみると、円高や海外進出も加わりリーマン・ショック前の水準くらべかなり落ち込んでいます。リ-マン・ショックから7年近くたちますが、この間、休廃業・解散中小企業数は増加傾向が止まりません。

 IoTと重なる用語に「インダストリー4.0」があります。蒸気、電気、電子に続くITを第4次産業革命に位置づけたドイツでの官民一体となったプロジェクトを指しています。ドイツでは、主要な企業がテストベッド(模擬工場)を設けて、生産コストを極小化するスマート工場の実現をめざしています。
IoTは、米国ではすでにあたりまえのシステムになっていて、ますます進化しています。例えば、GEのジャック・ウエルチに続くジェフ・イメルトは、IoTを、「インダストリアル・インターネット」と名付け、GEという巨艦をけん引しています。一例ですが、GEのエンジンを搭載した旅客機(ハードウエア)にはすべてセンサーが取り付けられ、世界中から刻々と集まるデータをソフトウエアで処理し、メンテナンスや航空会社向けの営業サービスに活かしています。これによって参入障壁を築くとともに売上の増大を図っています。
インダストリー4.0は、工場内のIoTと理解して間違いありません。ドイツは、極限までコストをカットすることで米国や日本に対抗できる製造業をめざしています。日本がものづくり技術で遅れているわけではないのですが、「見える化」、「5S」等による工場内の合理化だけでは、人件費の増加をカバーするだけの製造コストのカットは限界が見えてきています。日本の中小製造企業にも部分最適でない全体最適のものづくり情報武装化のムーブメントが来ることを願っています。

 では、中小製造企業でIoTは合理化対策になるのでしょうか。まだ、明確な答えはないように思えます。
どういうシステムを導入すれば、どのくらい生産性が向上するのか、といった基本的なデータがありません。国内には、IoTを開発し、提供している企業はありますが、中小企業には、それを評価し、導入システムを組める人材はいません。そもそもFAメーカーが提供する標準的なIoTが中小企業にそのまま役立つとは思えません。中小製造企業は、あまりにも人手に依存した仕組みのなかでなりたっているからです。
大企業ではERPやFMSなどはすでに導入されています。IoTは考え方次第で導入にさほどの困難はないように思えます。
一方、中小製造企業がIoTで合理化を進める解は、発注先企業との連携システムや同じ中小企業同士の生産の同期化システムといった、システム結合による効率化に見出せるような気がします。内部のモノのインターネットは、標準システムのカスタマイズが欠かせません。外部とのモノのインターネットの構築のほうがシステムを構築するリスクが少ないと思われます。

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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