激しい価格競争はいつまで続くのか
近年円相場の変動が大きく、3年ほど前と比較すると30%以上高くなり、昨年の年初と年末で対ドルが約6円、対ユーロで25円高くなっています。さらに、東日本大震災後には、対ドルで80円を下回ることも発生してきました。
日本の製造企業は、海外から資源を輸入し、国内で加工し、輸出することによって、収益を上げてきました。
円相場の大きな変化は、国内で生産した商品について、企業努力に関係ないところで、価格競争力を失わせることになってしまいます。その結果、大手製造業 だけではなく、中堅・中小の製造企業も、為替変動による影響を受けにくく、人件費の安価な中国を中心とするアジア諸国へと生産拠点を移してきています。円 高が続くかぎり今後も、この傾向は続くでしょう。
価格競争は、国内中心から海外を中心としたグローバルな競争へと進んでいくことになるでしょう。これは、利益の確保のために、国内外の生産の体制や地域 における生産技術力、量産に対応した設計力など広範囲な企業の資本や人材などの資源の活用と継続的なコストダウンが求められることになるのです。