ものづくり事業部

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カテゴリー:ものづくり経営革新への道

第30回 技術を特許にする?ノウハウにする?その見極め方

自社で編み出した大切な技術。
特許にしようと思いつつも、特許にすると、1年半後に全世界に公開されるというリスクがあります。
かといって、完全に秘密にし、ノウハウ化しようとしても、ライバル会社が特許をとってしまうと、たとえ先に技術開発していても、その技術を使うことができなくなってしまいます。

そこで、開発型企業にとっては、技術を特許にする?ノウハウにする? その見極めが非常に重要になってまいります。
実は、技術を特許にする?ノウハウにする? ここでは簡単な見極め方を2つ紹介します。

(1)その製品を販売する予定ですか?
販売する予定がないものを特許にしても、意味がありません。
そこで、まずは販売する予定があるかどうかをチェックします。

(2)ライバル会社がその製品を手に入れた場合、ライバル会社は、その製品の技術的な特徴を見破ることができますか?
見破ることができる場合、ライバル会社がパクる可能性がありますので、特許化を検討します。
反対に、見破ることができない場合、あえて1年半後に全世界に公開する理由がありませんから、ノウハウ化を検討します。

上記2つのチェックポイントを頭の片隅にとどめ、開発した製品をサンプル出しするときには、これら2つのチェックポイントを確認されることをお勧めします。

第29回 一次産品事業者の経営革新

1.増産が主題だった第一次産業

人々の生活に供する『物財』や『エネルギー』『情報』さらには『サービス』にいたる第一次産業の『ものづくり事業』は、第二次、第三次産業の事業と同様に『経営革新』を実施し続けなければ生き残れません。ものづくり事業は、一定の『人』『もの』『金』の資源を『支出』して『ものづくり』と『もの売り』をすることで『事業収入』を得ます。経営革新は、この収支の差額つまり『付加価値』をより多くするための行為です。

ところでわが国は、終戦前後の1940年代に極端な『食料不足』に見舞われていました。このため米穀生産を中心とした農・蓄・水産物『づくり』が、厳しい統制経済下におかれ、江戸封建時代の「米塚の経済」と同様に、食糧増産が経営革新になってきました。反面で事業経営者は「売る心配」がなくなったため、搾取された江戸時代とは逆に、農・蓄・水産物『売り』の革新が疎かになったのでしょうか。今日では食料自給率が50%を切るのに減反政策によって休耕田が増加する矛盾さえ生じます。

2.一次産品の生産環境と商品特性

もちろん米穀生産以外の分野では、この飽食時代に輸入食糧品と競争しながら、製販両面の経営革新に取り組んできた事業者も多くありました。あたかもわが国の第二次や第三次産業が『技術革新』と『流通革命』を同時進行させ、世界的な競争力を培ってきた事情に匹敵する経営努力です。

自然環境が相手の食糧生産は、気象変動などによって『安定供給』が難しい『ものづくり環境』と、品物が『いたみ易い』という食品特有の『商品特性』があります。だから生産物を『一手の引き受け機関』がある安心から『もの売り』を鈍らせたともいえます。

ただ一般的には『ハウス栽培』によるオールシーズン化、畜舎の『環境制御システム』や養殖などの『栽培漁業』のような、生産技術面での安定指向はみられます。が、一次産品の販路開拓では、第二次産業や第三次産業と同等レベルの革新は感じられないのです。

食料品生産に大きく影響するのは『鮮度維持』の問題です。太古の昔から『乾燥』『煮沸』『塩蔵』などの食料保存法が知られています。近代では、大規模な『燻製』『醗酵』『冷蔵』『冷凍』『真空』保存なども開発されています。ただこれらの手法は、第一次産業内での『一次加工技術』であって、このような『荷姿』に整えることを『もの売り機能』の革新というにはもの足りないのです。

3.産品へ商品化要件を付加

一次産品の生産技術を高度化させ続けることは、事業者にとって不可欠の行為に違いありません。が、生産プロセスの終盤には、必ずマーケティング活動への接続行為が伴います。つまり手にした産品に『商品化要件』を付加するまでが、もの売りを意識した『農・蓄・水産業』の生産過程だからです。

この点では同じ一次産品でも、すでに一・五次化した生産プロセスとでもいえる一部の『林産物』や大部分の『鉱産物』は、出荷段階でそのまま流通に送れる『荷姿』をつくり上げています。全体体系は次の図に示すとおりです。

20一次産品図

すなわち一次産品は、生鮮食品も素加工食品も、ものづくり行為のうちに、売れる商品として『出荷要件』『販売促進要件』『取引要件』を備えることで経営革新に踏み出せます。

図の『商品化要件』に略記したとおり、先ずバラ売りでは商品にならないので、消費者への直販向けと二次・三次産業への卸売り向けにするのです。また物流段階の『パッケージ』用の包装資材と包装方法を選択し、最小限の包装機器を備えます。

次の『販促要件は、将来のブランド名に高めるつもりで、商品種別にネーミング』して他者商品と差別化を図ります。またレッテルとか説明書などに商品メッセージ』を点けるのも大切です。

最後は、マーケティング政策で最も難しい値入れ』つまり『取引条件』としての売価設定』ですが、ここでは詳しく説明する紙幅がありません。

ただ、われわれさいたま総研のメンバーは『農・蓄・水産業の生産技術に精通していなくても、商品化要件の設定に関する専門家集団ですから、今後これら経営革新の推進に関しては、十分にご支援できることをお含みおき願います。

 

 

 

 

 

第28回 金融機関における事業性評価

財務諸表や担保提供を中心とした貸出でなく、事業の内容や成長可能性を適切に評価して、貸出す融資の事です
金融機関の職員にとって、普段或いは今までは、財務諸表の数字による評価しかしてきていなかったと思います。
また、融資が失敗したとしても数字による評価であれば、イレギュラーな事が起きたとして、恐らくですが責任も少ないかと思います。
この様な状況が続いて、金融機関からの借入が欲しい企業には、貸し出しずらい。
金融機関が貸したい企業は、資金を必要としていない、というミスマッチが起きていました。

私自身、金融機関の担当者とお話しをさせて頂く機会が多々ありますが、一店舗(支店)あたりの職員の人数は減少し、担当する企業や個人の数が増加してきているとの事です。
また、貸出をするより保険や投資信託を販売する事に力を入れる職員もいますとの事です。
今の金利では貸出をするより、そちらの方が手数料が良いからだそうです。

事業性評価をするのは担当者の数字だけではない、社長の能力や人間性、業界の将来性等多々情報を収集し分析する能力が必要となってきます。
その業務を遂行するには、担当する企業数にも限界がでてきてしまいます。
世の中に回るお金が経済の潤滑油であるならば、担当者のみならず、金融機関そのものも、人員削減による利益追求でなく、また、保険や投資信託の販売手数料だけではなく、事業性評価ができる構造を考えて頂きたいです。

第27回 技術力の向上ができ、市場対応力を高められる設備投資

「今年も製造機械の設備投資を検討しています」

先日、中小企業製造業の方とお話をしているときに、このようなお話を伺いました。この企業は、毎年、設備投資を行っており、技術力を向上させて市場対応力を高めている企業です。この企業のように、設備投資を行うことで、様々な技術力の向上を図っている企業に、私は日ごろ多く接しています。

新たな製造機械等の設備投資のメリットの代表として、品質、コスト、納期の向上による技術力の向上が挙げられます。

メリット1:品質の向上
例えば、精密加工製造業が新たに高精度なマシニングセンタを導入した場合には、加工精度が高まり、自社の加工技術力が向上します。加工精度が高まれば、加工できる品目が増え、受注品目の幅が広がります。

メリット2:コスト削減
例えば、老朽化した設備を従来から活用しており、不良率が高ければ、不良品の分だけコストが無駄になります。一方で、不良率を下げるために新たに設備投資を行えば、不良品が減り、無駄なコストを削減することができます。

メリット3:納期の短縮
例えば、生産スピードが遅い設備から生産スピードが速い新たな機械装置に変えることで、納期が短縮でき、短納期対応力が高まります。生産時間が短縮できれば、工程に余力を生み出すことができ、受注を増加させても対応することができます。販路開拓を積極的に行い、受注を増加させて対応することで売上高の向上を図ることが可能となります。

これらのメリットは、一例ですが、新たな設備投資を行うことで、技術力の向上が可能となり、市場への対応力が高まります。

設備投資を行う上で、中小企業の多くが悩むことは、資金の問題だと思います。自己資金が乏しいので設備投資を躊躇するケースがあると思います。

現在、国などでは、資金が乏しい中小企業でも新たな設備投資を行えるように、補助金などの制度を充実させています。設備投資を行う際の資金調達は補助金・助成金の活用を検討するのも一手です。

―最後に―

無計画・安易な設備投資は、綿密に経営・技術戦略を立案した上での設備投資より失敗リスクが高くなります。また、無理な設備投資は経営を圧迫する場合がありますので、詳細な検討が必要です。設備投資を行う際には、現状の自社を分析し、今後の経営・技術戦略を綿密に立案し、その上で、自社に合った設備投資を行い、技術力と市場対応力を高めることをお勧めいたします。

第26回 BCP策定は自社の経営を見直すチャンス

突然ですが、BCPという言葉を聞いたことがありますか?

BCPとはBusiness Continuity Planの略で、一般には「事業継続計画」と訳されます。具体的には、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における企業存続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです(経済産業省中小企業庁:「中小企業BCP策定運用指針第2版」より)。

自然災害の多い日本では、どの地域にいても被災する可能性はあるのではないでしょうか。関東では今後30年間で70%の確率で首都直下地震が起こると言われていることは周知のとおりです。であれば、防災計画を前段とした、不測の事態に対する企業の対応力向上を目的としたBCPを策定・運用することの重要性は言うまでもありません。

ところが、中小企業のBCP 策定率は1 割程度とされています(平成 24 年度中小企業庁調べ)。それはなぜでしょうか?まず、BCPは起こるかどうか分からない不測の事態に対する備えとして捉えられ(防災計画と同一視され)、企業は必要だと認識しつつも日々の業務を優先しBCP策定が後回しになっていることは想像に難くありません。もう一つの理由は、策定の難しさではないでしょうか。BCPは経営判断により策定していく性格のものであり、防災計画と違って企業の一部署(担当者レベル)で決められるものではありません。

BCP策定では、中核事業の選定、目標復旧時間の設定、対策立案、被災時の資金繰り等、多くの検討事項があります。中核事業とは、自社の存続に関わる最も重要性の高い事業のことであり、自社の売上や顧客との関係性等の観点から最優先するべき事業(商品・顧客)を決定します。目標復旧時間とは中核事業を復旧させなければならない時間のことですが、顧客の離反を防ぎ自社の売上やシェア、信用を大きく低下させることのない時間を設定しなければなりません。併せて、代替仕入先の確保、物流手段の確保、自治体や同業者との災害協定締結等、目標復旧時間短縮のための取り組みも不可欠です。

BCPは防災計画と混同される場合もありますが、事業継続計画と訳される通り、その本質は事業計画です。ですから、BCPの策定では経営判断が不可欠で、経営者自らが中心となって進めていくことが重要です。有事の際には、従業員の負傷や交通機関の途絶で従業員の参集がうまくいかないことも想定されます。その場合はどうしますか?解決策の1つは、従業員が複数の仕事をこなせるよう育成しておくことです。設備の耐震補強や食料の備蓄も必要ですが、時間を要する人材育成が先決ではないでしょうか。BCP策定ではそのような気づきも得られます。BCP策定は自社の経営を見直すチャンスでもあります。

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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