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第20回 「ものづくりはひとづくり」

大企業でも、中小企業であっても、モノ作りをになうのは最終的には人であると言われています。よほど汎用性のあるものでない限り、ほとんどの場合で最終的にモノを作るためには人の手が関わってきます。ということは、モノづくりは「人づくり」であるといっても、過言ではないということになります。今回は「人を作る」つまり、人材育成について考えてみたいと思います。

1.人は資源か資産か
大辞泉を調べると「資源」は、広く産業上利用しうる物質や人材とあり、「資産」では、個人や企業が所有する財産と説明されています。いずれにしても、人は経営資源の一つに違いはありません。
人を資源と捉えると次のような特徴が考えられます。手を加えると価値が上がっていくが、加え方を間違えると逆に価値が下がっていく。入手した時点から価値が上がっていく資源であるが、組み合わせにより力を出したり出さなかったりする。日によって調子が変わりやすい。非常に扱いが難しい資源だと言われています。

2.人的資源の動機づけ理論
アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが人間に対する分析を行い、「動機づけ・衛生理論」を提唱しています。人間には2種類の欲求があり、苦痛を避けようとする動物的な欲求と心理的に成長しようとする人間的な欲求という別々の欲求があるとしています。
言いかえると苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない。また、たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に満たすことができなくても、不満足感が増加するわけではないと述べています。つまり、仕事の満足感を引き起こす要因と不満を引き起こす要因とは違うということなのです。
不満要因(衛生要因)をいくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、不満足感を減少させる効果しかなく、仕事自体の満足感を引き出すには「動機づけ要因」にアプローチしなくてはいけないということです。
少し極端に言うとすれば、給料をいくら多く出しても、人間は、直ぐに当たり前だと思うようになるので、給料を多くするだけでは駄目だということです。仕事の満足感を与えようとするならば、その人間にある仕事を任せて、その達成度を評価してあげるということをすれば、人は成長していくということを述べています。成長するということは、人は自らが考えて、自分で問題点の解決策を発見していくことだと言えます。

3.人を資産と捉える
アメリカの経営学者のピーター・ドラッカーは、人こそ最大の資産であると著書のなかで述べています。人のマネジメントとは、人の強みを発揮させて生産に結び付けることであり、また、人の弱みを中和させることであると述べています。ここでいうマネジメントは「管理」という意味でなく、組織に人を適材適所で「配置すること」であるとしています。また、彼は人材を資産と考えたとしても、人は企業の所有物ではなく清算するものでもないと述べています。
人は共に働く人たちを生かすべきものとして捉えることであり、その強みが成果に結びつくよう人を配置すべきであると説明しています。ドラッカーだけが経営学者ではありません。しかし、人材育成とはどのようにするべきなのかという課題のヒントにはなると言えます。

4.イノベーション(革新)を起こす
中小企業は、大企業に立ち向かうのではなく、いかにして、大企業と戦わずに勝利をおさめるかということを常に考えていなくてはなりません。人、モノ、金、情報である経営資源が乏しい中小企業は、競争市場の中で戦っていくためにさまざまな工夫が必要となってきます。
戦っていく武器のひとつにイノベーション(革新)を起こすという考え方があります。この革新は、人の頭の中からしか生まれてこないのが特徴です。どこに問題点があるのかをいつも考える習慣が、人の頭の中にないとこの革新という発想は決して生れ出てきません。どんなに多くの人間がいても駄目です。
多能工化している中小企業では、このチャンスに恵まれていると考えることができます。「人をつくる」ということは、重要であると再認識できます。
小さな工夫をするということは、革新を起こすことに他ならないのです。人材を育成するということは、この革新を生み出すために必要なことであると言い切ることができます。モノ作りを極めるためにも、人材を育成することはイノベーションを起こすために重要なことなのです。

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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