ものづくり事業部

第1回 商品化強力のツボ 商品化コーディネーターを育成しよう (遠山純夫)

ものづくり企業はとかく「生産力」に注力しがちですが、企業成長には「商品力」と「販売力」、
そして「経営力」が欠かせません。
ものづくり事業部の専門家がリレー連載して「ものづくり経営革新への道」と題して、
各種人材育成情報を提供していきます。

第1回は「商品力強化のツボ:商品化コーディネーターを育成しよう」です。
昨今世界中でキックススターターやファンドから融資を受けた「ものづくりベンチャー企業」が続々と
新開発商品を上市(販売開始)しています。
彼らは自ら強みである商品企画と開発設計にのみ注力して、その他の機能をアウトソースすることで
商品化の実現力とスピードを確保しています。経営資源の少ないものづくり中小企業が、
魅力ある新商品を上市するには、この「ものづくりベンチャー企業」方式を採用すると良いでしょう。
しかし不足する機能をアウトソースすると言っても、そもそも商品化には何が必要で
どこにアウトソースすれば良いのかわからなければプロジェクトは遅延・迷走・失敗します。
そこで「商品化コーディネーター」が、新商品のゴールである商品販売に漕ぎ着ける計画と実行を担います。

「商品化コーディネーター」は何をするのか?
商品化(新商品の企画・設計・生産~販売開始)の主な機能と業務は下記のようになります。

  1. 商品企画   :商品企画・市場調査・設計構想・商標登録
  2. 技術開発・知財:要素技術開発・特許取得・特許調査
  3. 基本設計   :メカ設計・回路設計・ソフト設計・要素部品設計
  4. 周辺設計   :金型・プリント基板・パッケージデザイン・タグデザイン・取扱説明書・生産工程設計
  5. 試作     :原理試作・二次試作・量産試作
  6. 試験・評価  :評価試験・デザインレビュー(DR)
  7. 品質保証   :信頼性・安全規格認証・フィールドテスト・リスクアセスメント
  8. 販売準備   :カタログ・Web広告・メディア広報・展示会・販売チャネル
  9. 間接業務   :アウトソース契約書・OEM先選定・輸出入管理・アフターサービス

これらの機能や業務の中で、自社にないもしくは弱いものはアウトソースすればよいのです。
しかしこれらの必要な機能を理解して、契約作成・日程管理・品質確認しない限り、
プロジェクト(商品化)の成功は望めません。
「商品化コーディネーター」が、商品化プロジェクト全体のガントチャートを作成し、
進捗管理を行うことでゴール達成をナビゲートします。
この「商品化コーディネーター」(プロダクトマネージャーから人事権・損益責任を取り除いた
機能横断スタッフ)が、商品化の成否をかなり左右します。
「商品化コーディネーター」経験専門家の支援を受けながら、
自社の「商品化コーディネーター」を育成していくことが、ものづくり企業の「商品力」を上げるポイントです。

なおものづくり部品メーカーの方は、「商品化」機能は必要ないとお考えの場合が多いようですが、
違います!
少なくとも設計機能を有するものづくり企業の全てが、商品化の質を上げる為に
「商品化コーディネーター」を育成することを推奨します。

中小企業診断士:遠山純夫

成功する企業はベストコストをつくり込む(52最終回)

『おわり』に代えて

 約4年間に亘ってご愛読いただいたこのコラムは、第51回をもって連載を終了しましたが長すぎて、本文の右欄にある月別アーカイブだけでは、個々の掲載内容が検索できなくなりました。今回は、掲載日とは逆順に『章』と『節』の目次と『掲載年月日』を掲載し、月別アーカイブから掲載年月日をクリックしていただければ、ご関心の項目が見つかるようにしました。これを以て、ご愛読の御礼とさせていただきます。

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成功する企業はベストコストをつくり込む(51)

7.ベストコストづくりを考える

7-10 コスト・コーディネーターの役割

● 社内の仕事も三権分離
 コストデザイン過程を順調に進めるには、それなりの仕掛けが必要です。その第一は、関連する規程の制定やコストレビューのための諸々の『書式を制定』することです。第二にはそれらの仕組みが、現業者の間に『制度として定着』することです。
 これを逆にいえば「仕掛けを終わり」「仕組みを整備して実行する」ことによってこの制度が完全に導入されたといえるのです。かといって『CR実施規程』だとか『CR運営要領』『コスト評価基準』『目標原価設定ガイドライン』等々の社内法規の整備が、コストデザイン過程が『進行できる保証』にはなりません。
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成功する企業はベストコストをつくり込む(50)

7.ベストコストづくりを考える

7-9 コストレビューは開発効率の阻害要因か

● 開発者のブーイング
 ベストコスト追求の一環としてコストデザイン構想を固め、その実施手順書を関係者に示したとき、現業の開発・設計部門から「CRコストレビュー)みたいなことをしていたら、新商品の開発期間がますます長くなる」というブーイングを耳にしました。
 たしかに近時は、どんなケースでも開発期間が『伸びる傾向』にあり、かつ開発スケジュールが『遅れる』ことがしばしばです。この傾向は、どこの会社のどんな開発業務にも共通していえます。
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成功する企業はベストコストをつくり込む(49)

7.ベストコストづくりを考える

7-8 コストレビューの進め方

● レビューに用いるツール
 CRすなわちコストレビューは、図表7-6(’15.05.28掲載)に示したように、最少でも新製品開発の三段階に分けて行います。レビューに用いるツールいわば『道具立て』は、前の図表7-7(’15.06.18掲載)に示した『コストレビュー・シート』と、これから説明する『チェック・シート』の両立てです。
 レビュー・シートの方は一種類ですが、この履歴欄には「どの段階のCRであるか」にレ印を入れれば3通りに使えます。つまりCRの3段階で同じシートを用いることによって、レビュー対象の『目標原価』や『見積原価』『原価差異』が、CR段階別の過程を比較できることになります。
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事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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