罹災企業経営診断の最近のブログ記事

罹災企業応援プロジェクト vol.1として、茨城県笠間市仁古田1162-1、株式会社三栄製作所様に伺いました。
以下、三井のレポートです。


エレベータ実験棟あの悪夢の震災から3か月が経過しようとしていた2011年6月8日の霧雨の朝、下山、山﨑、長谷川、足立、中村、渡邉、そして私、三井の7名は、私たちの拠点であるMIO新都心事務所前に集結した。目的は今回の震災で被害を受けた茨城県笠間市の株式会社三栄製作所(南雲社長)の罹災お見舞いとボランティアによる経営診断・視察である。使命感に燃える視察団一行は2台の車に分乗し10時半過ぎにさいたま新都心を出発した。
途中友部のドライブインで昼食をとり、予定より早く13時過ぎに三栄製作所に到着。友部インターを降りてすぐの農村のはずれ、工場敷地にそびえるエレベータの実験棟が目印だ。南雲社長ほか稲延工場長、小田総務部長、成島技術部長が笑顔で迎えてくれた。

工場事務所に移動しメンバーの自己紹介、社長からの会社概要説明、質疑応答など1時間ほどミーティングのあと工場内を見学した。製品は業務用エレベータの心臓部となる巻き上げ機で販売先は中小のエレベータメーカ250社程度だ。国内では数少ないエレベータ用巻上機の専業メーカーである。
現場には大小巻き上げ機がいくつも組み立てられていた。若い作業員も多く敷地内を行き来するリフト、輸入部品を入出庫するトラックなどで活気が溢れていた。30分ほどの工場見学の後、事務所に戻って全員がそれぞれの感想を披露した。海外展開強化、用途開発を中心に国内マーケティング強化、生産現場改善、経営理念の徹底と人材育成等のアドバイスがあった。企業側の課題としてエレベータ業界は過去の事件や今回の震災の影響で安全性へ要求や省スペースの要求に応えていく必要があり、産学連携などについてアドバイスが欲しいという具体的な話があった。

工場内視察風景 今回の震災では水道電気の復旧まで4日間の工場停止、工場の機械、部品・製品破損に伴う廃棄処理で多くの被害があったそうだ。「従業員のことが一番心配だったが、幸い一人もけがはありませんでした。震災の翌日に全員出社してきてくれたのがうれしかった」と社長。当時得意先社員の技術講習の最中で彼らの身の安全の確保に注意を払ったということであった。復旧には社員が団結して協力し、崩れた棚や機械などは社員の創意工夫で補強したそうである。今回の視察でもその成果を認めることができた。また、津波など大きな被害に遭遇した被災地に外注先が多く、部品の調達遅れ、輸送ルートの断絶で納期遅延により多くの得意先に迷惑をかけた。

三栄製作所の経営陣とプロジェクトメンバー 前列左から二人目が南雲社長


今後のリカバリー対策として外注先の複数購買、二次輸送ルートの確保など対策を講じているところである。これらの課題を持ち帰り改めて改善提案という形で報告することを伝え、約束の16時過ぎに視察を終了した。社長以下役員の皆さんが工場の出口まで見送りに出ていただき、来た時と同じ笑顔で別れた。
帰りの車中はお互いに情報交換し改善策など話し合いながらあっという間にさいたま市へ。無事17時30分ごろMIO新都心事務所に戻り散会した。




感想:
南雲社長を創業当時から会社を育ててきたベテラン幹部が優しく支え、皆で会社を盛り上げようとしている温かい社風を感じました。国内需要頭打ちの業界ではあ るものの今回の震災の復旧を全社員団結の機会とし乗り越えてほしいと思いました。その先に無限の可能性があることを視察団全員が感じたと思います。
その後、7月に入りプロジェクトからは15項目の改善報告書を提出し、三栄製作所からも感謝のメッセージをいただいたことを報告します。
三井

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