定年退職を前に、無限に続くと予想される休日を想定して、時間つぶしに読む本として、マルセル・プルースト著「失われた時を求めて」を購入しました。しかし、読む時間を取れないまま時間は流れました。
最近書店で,偶然に吉川一義著『絵画で読む「失われた時を求めて」』(中公新書)を見つけて購入しました。176ページのうち、80ページ以上に小説に登場絵画がカラーの原画が紹介されています。
世界最長の小説としてギネスに認定され、「読了すれば自慢できる作品」と言われる難解な小説です。村上春樹氏も、途中で挫折したと伝えられている長編で難解な小説です。
小説の「量の多さ」に加えて、「20世紀を代表する小説」、「文学史上最も偉大な小説」として世界的に高く評価されている作品です。『絵画で読む「失われて時を求めて」』を読み、プルーストの教養の高さ・広さに圧倒されました。わたしの教養レベルでは、とても読書の対象にする小説ではないと実感しました。まさに、「読了すれば読者にとり自慢できる作品」と言えるでしょう。
定年退職して、永い年月が経過しましたが、結果的に「積読」の効用が得られたようです。難解な小説に挑戦し、教養不足で挫折して、貴重な人生の無駄遣いをしないで済んだようです。