ものづくり事業部

月別アーカイブ:2022年 6月

第64回 介護業界 現状、その課題と今後

将来の少子高齢化を見据え、2000年4月にスタートした我が国の介護保険制度は20年を経過した。制度創設時から数年間は介護サービス提供体制の構築が主要テーマであったが、その後、医療・介護・生活支援・予防・住まいを含めた地域包括ケアシステムの概念が導入され、現在は地域共生社会の実現を目指す方向性が打ち出されている。この期間、提供体制に影響を及ぼす様々な制度改正や報酬改定が繰り返されてきた。

地域支援事業の見直しと地域包括支援センターの創設
介護保険制度創設後大幅な見直しが行われ、これが現在の介護保険の方向性となっている。主要な改正ポイントは、(1)地域支援事業で実施してきた介護予防事業の概念、サービス内容、提供方法等を見直し、(2)要支援者が利用している「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」を地域支援事業に移行させた上で、介護予防事業と一体化・多様化させた「総合事業」の再編成、(3)包括的支援事業に、1)在宅医療・介護連携の推進、2)認知症施策の推進、3)地域ケア会議の充実、4)生活支援サービス体制整備を追加し、機能強化を図った。また、施設の規模の拡大、経営の効率化か図られ、対応できない介護業者は廃業する企業(主に中小企業)がでてきている。

地域包括支援センターは、1)介護予防・生活支援サービス事業(現行相当の訪問介護・通所介護サービス、短期集中サービス(訪問型・通所型)、介護予防ケアマネジメントなど)と、2)65歳以上高齢者に対して体操教室等の介護予防を行う一般介護予防事業(地域リハビリテーション活動支援事業など)で構成される。

地域包括支援センターは、元気な高齢者を増やすことを目的としている。これを達成するためには、1)多様な活動の場(通いの場)を地域で面展開し、高齢者の活動性を継続的に担保するための仕掛け、2)一時的かつ集中的リハビリテーション介入により元の元気な状態を取り戻すための仕掛け、3)生活課題や状態に応じて、適切なサービスを選択し、つなげていくための仕掛けが必要となる。

今後の介護制度の方向性
我が国の介護制度は、益々の少子高齢化の中で給付費用の増大、介護費用の負担の限界、現役世代の人口の急減という新たな局面に対応し持続可能な制度とするべく、2040年を展望し以下の対応をしていく計画である。寿命と健康寿命の差を短くし、医療・福祉サービスと連携しながら、多様な就労・社会参加を可能とするもので、健康寿命の延伸は目的であり結果でもある。これにより、給付と費用のバランスが取れた制度とすることを目標としている。

(1)多様な就労・社会参加 (2)健康寿命の延伸 (3)医療・福祉サービス改革

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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