令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金に採択されました、都インキ株式会社の事例を紹介します。
また、同補助金の内容とCO2削減計算方法についても紹介します。
1.同補助金の概要
(1) 対象事業の要件等
1) 化石由来プラスチックを代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換及び
社会実装化実証事業
2) プラスチック等のリサイクルプロセス構築 及び 省CO2化 実証 事業
(2) 補助率:2分の1(中小企業)、または3分の1(左以外)
(3) 上限:特になし
2.都インキ株式会社さんが採択された実証事業
上記1)、代替製品自開発の実証事業です。
開発製品は「クリアペーパーファイル」です。皆さんも使われているPP製クリアファイルを代替することで
CO2削減が目的です。
紙が水に濡れると透明になることは、ご存じだと思います。都インキ㈱さんでは、自社開発のインキを上質紙に
含浸させることで透明度を出します。この用紙を使って、ファイルを作ります。
これを「クリアペーパーファイル」と呼んでいます。
図の右側は通常のコピー用紙ですから、ほとんど透明度はありません。
左側は上質紙にインクを含浸させたもので、透明度があります。
当事業部に所属する、備後さんにより本インキは特許を取得しています。
3.都インキ㈱さんが採択されたLCAによるCO2削減
本補助事業では、LCAによるCO2削減計算をすることが求められます。本補助事業のメインテーマです。
1) ライフサイクルフロー図
原材料調達・生産、生産、流通、使用、廃棄・リサイクルのフローです。
下段にベースライン=PP製ファイル、上段に本実証事業である評価対象製品=クリアペーパーファイル
を記載します。
2) 1)のフローに従って、ベースラインと評価対象製品のCO2排出量を計算します。
この時使用するのは、IDEAv2データベースです。
信頼あるデータベースを使うことは申請条件です。
3) 2)の計算の差がCO2削減量です。
クリアペーパーファイルの販売量を、1,200万枚と設定。
その結果、2025年の年間CO2削減効果は433.19t-CO2です。