ものづくり事業部

月別アーカイブ:2022年 10月

第67回 おもしろマーケティング

新型コロナ禍により地域の商店街も厳しい経営状況ではありますが、その中でも生き残りをかけて知恵を縛った様々な販売促進がされています。今回は、私が所属している豊島区中小企業診断士会の会員が豊島区内の商店街を訪問して特色のあるマーケティング活動をしている個店を見出し、表彰する活動について紹介します。

①おもしろマーケティングとは

ポストモダンマーケティングといわれる新しいマーケティング手法を加えた評価基準を用い、豊島区中小企業診断士会が豊島区内の各商店街加盟の商店(小売業・飲食業など)を訪問して評価し、優秀な個店を表彰しています。

②ポストモダンマーケティングとは

スティーブン・ブラウン(アルスター大学教授)は、「顧客志向」が溢れ変えっているなら、「顧客志向」を捨ててしまうこともマーケティング目的を達する戦略の一つであることを提唱しています。具体的には、経済の成熟化・消費の個別化が進むなか、従来のマーケティング手法に代わって必要なのは、Trick(トリック)、Exclusivity(限定)、Amplification(増幅)、Secrecy(秘密)、Entertainment(娯楽)この5つだと述べています。

■おもしろマーケティング大賞表彰式(令和2年)

令和2年1月7日(火) ホテルメトロポリタンにおいて豊島区商店街連合会の新年賀詞交歓会が行われ、高野之夫豊島区長、太田昭宏衆議院議員をはじめ、 地元選出の都議会議員、区議会議員のほか、区内各界の著名人、区内の商店街関係者、中野・板橋・練馬・杉並区の各商店街連合会長など、217名が出席しました。終盤には、小池百合子東京都知事も出席され、会場は大いに盛り上がりました。

※豊島区中小企業診断士会ホームページから抜粋:

http://www.toshima-smecg.org/2020/01/funny-marketing-awardsceremony2020/

③評価方法

おもしろマーケティングの評価は、コミュニケーションなどの日常的なマーケティングと、ポストモダンマーケティングの要素を入れた非日常的なマーケティングなどについて点数を付けて総合点で評価します。

④事例

<巣鴨とげぬき福寿庵>

https://jam-united.com/   

“シベリア”をロールケーキ型にして、「シベリアロール」と名付け、商標登録も行って巣鴨の新しい名物として限定販売している。「シベリアロール」は、女優の吉沢京子さんの芸能生活50周年パーティで初お目見えとなり、口コミで拡散しました。

<群馬県太田市から池袋へ新鮮な野菜を│OTA青果>

https://www.facebook.com/gunma.ota.seika/

店主の自宅のある群馬県太田市の農家や市場で買い付けた野菜や卵を大きな赤いパラソルを立てて販売してます。通常の小売店と違い、ワゴン車でのオープンな環境で、色とりどりの野菜、果物を見るだけでも楽しい販売方法です。

<椎名町のお米屋さん|並木米穀店>

http://omusubiya.com/

お米マイスターの店主が独自の評価により特徴を表現し、ランク付けを行い、量り売りを行っています。また、特別栽培米でつくる手作りおむすびや、おはぎなど季節の和菓子を提供するなど、消費行動の文脈にもつながる販売手法を実行しています。

豊島区中小企業診断士会では、おもしろマーケティングで受賞した店舗を紹介するサイト(http://www.toshima-smecg.org/omoshiro-marketing/)を構築し、蓄積された手法とノウハウを地域中小企業にフィードバックするとともに、個店経営の現状分析と、おもしろマーケティングのコンサルティングを無償で行っています。

 

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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