ものづくり事業部

事業部トップ>執筆者:備後 元晴

執筆者:mbingo

第51回 商標の準備はお早めに

商品の名前は決まった。いざ販売だ。
でも、ライバルから「パクり」と言われるわけにはいかない。
そうだ、商標を取っておこう!

最近、ニュース等でも身近な話題になっており、商標取得の大切さは広く知られつつあります。
では、商標って、申請してから取得まで、どれくらいの期間がかかるかご存じでしょうか?

答えはこちら。申請してから、審査官が初めてチェックしてくれるまでで、約1年かかってしまうんです。

【引用】 特許庁ホームページ:商標審査着手状況(審査未着手案件)https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/status/cyakusyu.html

商標取得の大切さが分かるからこそ、みんな申請する。そのために、チェックする審査官の数が足りない。その結果、申請してから取得までの期間がどんどん長引いているのが実情です。

というわけで、新商品を世に出すときは、商標の準備を少しでも早く進められることをお勧めいたします。

早期審査、ファストトラック審査という、商標取得までの期間を数ヶ月間に縮めるテクニックもございます。
詳しくは専門家である弁理士にご相談ください。

第30回 技術を特許にする?ノウハウにする?その見極め方

自社で編み出した大切な技術。
特許にしようと思いつつも、特許にすると、1年半後に全世界に公開されるというリスクがあります。
かといって、完全に秘密にし、ノウハウ化しようとしても、ライバル会社が特許をとってしまうと、たとえ先に技術開発していても、その技術を使うことができなくなってしまいます。

そこで、開発型企業にとっては、技術を特許にする?ノウハウにする? その見極めが非常に重要になってまいります。
実は、技術を特許にする?ノウハウにする? ここでは簡単な見極め方を2つ紹介します。

(1)その製品を販売する予定ですか?
販売する予定がないものを特許にしても、意味がありません。
そこで、まずは販売する予定があるかどうかをチェックします。

(2)ライバル会社がその製品を手に入れた場合、ライバル会社は、その製品の技術的な特徴を見破ることができますか?
見破ることができる場合、ライバル会社がパクる可能性がありますので、特許化を検討します。
反対に、見破ることができない場合、あえて1年半後に全世界に公開する理由がありませんから、ノウハウ化を検討します。

上記2つのチェックポイントを頭の片隅にとどめ、開発した製品をサンプル出しするときには、これら2つのチェックポイントを確認されることをお勧めします。

第14回 PPAPの商標から学ぶこと

ピコ太郎さんの「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標について、全く無関係の第三者が先に商標出願していたことは、話題になりましたのでご存知の通りです。このことから我々が学ぶべきこと、そして企業が経営革新を進展させるために大切なブランドを第三者から守るための術を考えてみました。

(1)商標は早いもの勝ち
何といっても、商標は早いもの勝ちであるということです。
もし、先に商標を使っていても、特許庁に申請していなければ、その商標が魅力的であればあるほど、他人に出されるリスクが高くなります。
そして、これまで、他人の先取り出願によって、1)屋号の変更、2)名刺・看板・パンフレット・カタログ・ちらしの差し替え、3)商標を付けたお皿,どんぶり等の差し替え、④ホームページの書き換えを余儀なくされた方々が数多くいらっしゃいます。

(2)ピコ太郎側の申請は、最終的に登録される可能性が高い。しかし、それは、たまたま
第三者による『PPAP』の商標申請が認められる可能性は低く、ピコ太郎さん側の申請は、最終的には晴れて登録になる可能性が高いと予想されます。しかしながら、それは、①ピコ太郎さんの『PPAP』が全国的あるいは世界で広く知られており、②B社の商標取得目的が先取り申請であるとある程度類推できるためです。
全ての人の商標が、ピコ太郎さんのケースと同様に、他人の先取り申請から守れるか?、というと、必ずしもそうとは言い切れないのが実情です。

(3)先取り申請があると、先取り申請が潰れるまで権利にならない
また、先取り申請があると、先取り申請が潰れるまで権利にならない、ということです。そして、長期化すると、登録まで3年以上待つはめになります。

(4)争いは不毛。やはり、使いたい商標は、早く申請するのがベスト
商標申請するにあたって、特許庁への費用のほか、弁理士への費用がネックになりますが、万が一トラブルが生じたら、かかる費用は、その数十倍です。商標申請をトラブル回避の保険とみる感覚も必要です。

(5)企業が経営革新を進展させるために大切なブランドを第三者から守るための術
第三者から守るための術ですが、何といっても、時間をかけてじっくりと検討されたブランド名がある日突然使えなくなったり、少しだけ変えたパクリ品を後発の他社が使い出したりする事態を何としても避ける、ということです。
そのためには、これで売り出すぞ、と決めた商品名については、速やかに商標申請されるということが最大の防御になります。

そして、万が一、他人が先に申請していても、直ちにはあきらめないことです。特許庁は、「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」として、自身の商標申請を直ちに断念しないよう、注意喚起を促しています。
⇒https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/shutsugan/tanin_shutsugan.htm

商標申請について、少しでも分からないことがある場合は、商標のプロフェッショナルである弁理士に相談されることをお勧めいたします。

 

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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