4.人の知恵にみる標準化
4-6.ロス・アプローチ法をどうする
● 後追い管理のじれったさ
コストダウン手法として、標準原価管理法がもつ『後追い管理』などの問題点は、ロス・アプローチ法で打開しようとする考え方があります。
およそコストという奴は、実際値が分かってから「後で取り戻してダウン」することはできません。それはベストコストを追求する立場からいえば、まったくのじれったさを感じます。
ですからロス・アプローチ法では、まず計画立案段階で徹底して裸原価を追及することになります。裸原価は「本来こうあるべきだ」という『理論的な原価』または理想的な生産を遂行した場合にのみ『達成し得る原価』のことですから、理論原価ともいわれます。
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執筆者:山崎 登志雄
ものづくり事業部1月次例会のお知らせ
先の12月13日にお知らせしたように、今月は第3土曜日に『さいたま会館の講演会』があるため、移動が困難で第4土曜日に変更しました。1月26日10:30~12:30 mio事務所第1会議室を確保していますので、ご参集ください。
課題は
1.上場支援の商品化・・・・渡邉さん 平成24年IPO状況、営業提案書(案)の準備があります。
2.省エネ支援の商品化・・・・柴田さん 2月15日(金)のさいたま総研経営塾・・・ものづくり事業部担当の手配関係確認
間館さんにも省エネ商品の情報あり
3.メーリングリストの活用法・・・・佐野さん、水口さん、間館さん
4.その他 です。
成功する企業はベストコストをつくり込む(17)
4.人の知恵にみる標準化
4-5.固定費の扱いにはコツがある
● 物指しを作り直すわけ
標準原価も原価に違いないので組立型製造業でいうと、原価要素は『原材料費』『外注加工費』『直接労務費』『製造間接費配賦率』といったところで構成されます。文字どおり、標準原価は原価の標準なので、予め定められたこれら原価要素それぞれの『標準値』が全体を構成します。
本来、標準原価は財務会計において棚卸資産を評価するために設定するものです。要するに価額変動のある『原材料や製品・商品の在庫高』および『半製品や仕掛品の在り高』が、それぞれ「どれくらいに評価」されるべきかを、予め決めておくための『標準的な金額』のことです。
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成功する企業はベストコストをつくり込む(16)
4.人の知恵にみる標準化
4-3.予算を惑わす心情がある
● 自分自身のための見通しは
将来予測を集計し、計画にまとめていくことは、トップなど管理者側にとっても、コストダウンする人々の被管理者側にとっても、立場の違いからお互いに辛いことがあります。
特に、先行き不透明な時期においては容易に『見通しが立たない』ため、トップは「販売見通しを甘く」し、「経費見通しを厳しく」して何とか利益を生み出そうとします。つまり「売上高予算は多目」に「経費予算は少な目」に見積もり、最大限の限界利益を生み出して『経営の安泰』を図ろうとします。
対して現場の人々は自分たちの『立場を優先』し、極力「販売見通しを抑え」「経費見通しの許容を大きく」した見積を立てようとします。つまり「売上高予算は抑え目」にし、「経費予算では余裕」をみようとするわけす。
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成功する企業はベストコストをつくり込む(15)
4.人の知恵にみる標準化
4-1.標準がもたらす社会関係
● そもそも標準とは
標準という『ものごとの考え方』は、人間が集団生活を営むうえで必要な、素晴らしい知恵だと思います。この知恵は、ISOやJISなどにみられるように『ハードの生産』において、計り知れないコストダウン効果を発揮しています。また最近は「約束事だけで成り立つ」コンピュータ・プログラムのような『ソフトな工業製品』も標準化が進み、ハードと同じコストダウン効果がみられます。
それはそのはずで、JIS Z8101品質管理用語の中で、標準とは『関係する人々の間で利益または利便が公正に得られるように統一、単純化をはかる目的で、物体・性能・能力・配置・状態・動作・手順・方法・手続き・責任・義務・権限・考え方・概念などについて定めた取り決め』とあります。