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第70回 先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定により税制支援が受けられます(令和5年4月改正版)

国は、中小企業の設備投資を後押しするため、様々な施策を用意しています。本稿では、令和5年4月に改正された情報を基に、先端設備等導入計画の認定で受けられる固定資産税の特例と経営力向上計画の認定で受けられる法人税の特例についてご紹介します。

1.先端設備等導入計画と固定資産税の特例について

先端設備等導入計画とは、中小企業者が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。認定された事業者は、生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置(3年間1/2に軽減。賃上げ方針を従業員に表明した場合は1/3に軽減)を受けることができます。例えば、耐用年数8年、1億円の機械装置を購入するにあたり、事前に先端設備等導入計画の認定を受けていれば、3年間の節税見込額は約140万円です(1/2軽減の場合)。

2.経営力向上計画と法人税の特例について

経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。認定された事業者は、計画に基づき一定の設備を新規取得して指定事業の用に供した場合、即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

例えば、1億円の機械装置を購入する場合を考えます。設備取得年度の税負担軽減目的なら即時償却を選択し、長期の法人税額合計を減少させる目的なら税額控除を選択します。10%税額控除なら、最大1,000万円の税額控除となります。但し、税額控除額は、その事業年度の法人税額の20%が上限となりますので、法人税額が1,000万円であれば税額控除限度額は200万円です(税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に1年間繰り越すことができます)。なお、補助金を受給して圧縮記帳の適用を受ける場合は、圧縮記帳後の金額が税務上の取得価額となります。

3.まとめ

先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定による税制支援は令和7年3月31日までの時限措置です。計画認定を受けるためには、設備投資によって労働生産性を一定程度向上させる事業計画を策定しなければなりません。加えて、先端設備等導入計画では投資計画書の作成、経営力向上計画では工業会証明書の取得または投資計画書の作成が必要です。設備投資を予定されている事業者様におかれましては、補助金の利用と併せてこれらの計画認定をご検討されることをお勧めします。

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