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これで万全!経営承継・Q&A(第40回)

経営承継は中小企業の経営者にとって避けては通れない大きな経営課題です。
経営承継事業部では円滑な経営承継のお手伝いを致します。

■これで万全!経営承継・Q&A

「M&Aにおける中小企業の特有な問題」(回答者:佐藤 節夫)

<Question>

新聞などでM&Aの記事をよく見かけますが、その記事は大概が大企業による
M&Aの記事です。中小企業の経営者としては、何か違うなという違和感があり
ます。M&Aによる経営承継について、大企業とは異なる中小企業特有の問題と
か違いがあれば教えてください。

<Answer>
 大きな違いの第一は、中小企業は一般的にオーナー経営者によって経営され
ており、いわゆる「所有と経営の分離」がなされていないこと。
 次に、オーナー経営者は対外的な信用と従業員の指揮監督責任を一身に背負
っており、中小企業経営者はまさに経営者の属人的な能力に負うところが大で
あること。
 さらに、中小企業は一般に株式を上場しておらず、法律で定められた会計監
査を受ける必要がないことから、節税処理に重きを置いた経費処理ならびに会
計処理を行なっていることが多いこと。
 以上3点が大企業とは異なる中小企業の特性であり、なかでも「節税に重点
を置いた経費処理・会計処理」がM&Aにおいて大きな問題となる可能性があり
ます。
 具体的には、こんなケースがあります。
「当社の経常利益は見た目にはほぼ収支トントンである。しかし、経営者の
報酬や事実上オーナー一族の個人的な用途にまわっていたもの、および削れる
と思われる冗費を除くと、実質的な経常利益は○○千万円以上である。企業価
値を算出する場合には実質的な経常利益で判断してもらわねば・・・」

 企業価値を実質的な利益で判断すべきというのは理論的にはその通りです。
しかし、M&A実務の現場に即して理解しておく必要があるのは、本当の冗費が
どこからどこまでなのか、買い手側が客観的に検証するのが難しい場合が多く
あります。
 また、経営者の報酬は、金額の大小はあるとしても、経営管理という職務の
対価としての報酬であり、買い手側が新たに経営者を送り込む場合には職務に
見合ったコストが改めて発生します。
 さらには、事実上オーナー一族の個人的な用途にまわっていた経費は、買収
後に税務調査が行なわれた結果、役員賞与と認定され、損金性が否認され、修
正申告を求められることもあります。
 このように、中小企業のM&Aにおいてよく問題となるのは、「決算上の経常利
益」と「実質的な経常利益」の議論の背景には、実はいろいろなリスクが隠さ
れていることがあり、交渉がうまくいかないケースが多いということです。

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