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定着率の高い組織とは?~従業員満足だけではダメな理由~

1.人が定着しない組織に共通する悩み

貴社では、こんなお悩みはないでしょうか?

「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまう」
「ようやく仕事に慣れ、これから戦力として活躍してくれると思った矢先に退職の申し出があった」

実は、このような悩みを抱えている経営者や人事担当者は少なくありません。採用活動には多くの時間とコストがかかります。それにもかかわらず、短期間で人が辞めてしまう状況が続けば、現場の負担は増し、組織全体の士気も下がってしまいます。こうした「人が定着しない問題」の背景には、単なる待遇や職場環境の問題だけでなく、「エンゲージメント」に関する課題が潜んでいるケースが非常に多いのです。

 

2.従業員満足だけでは足りない理由

近年、「従業員満足度(Employee Satisfaction)」という言葉は広く知られるようになりました。従業員満足度を高めることが人材定着に繋がる、と思っている方も多いと思います。

実際に、多くの企業がアンケート調査・いわゆるESサーベイを実施し、職場環境や上司との関係・評価制度・福利厚生などに関する不満や課題を洗い出し手を打つことで、従業員の定着率向上に取り組んでいます。不満の多い職場に人が定着しないのはある意味当然なので、従業員満足度を高める取り組みは重要です。

 

しかし、従業員満足度を高めるだけでは、「人材の定着」を実現するのは難しいのが現実です。

なぜなら、満足しているからといって、「この会社で頑張り続けたい」「会社の成長に貢献したい」と思っているとは限らないからです。

 

ここで整理しておきたいのが、「従業員満足」と「エンゲージメント」の違いです。

従業員満足とは、給与や労働時間、職場環境、人間関係などに対して「不満が少ない」「居心地がよい」と感じている状態を指します。

一方で、エンゲージメントとは、会社の理念や目標に共感し、自ら進んで貢献したいという意欲や愛着の度合いを表します。

つまり、従業員満足は働きやすさ、エンゲージメントは働きがいと言い換えることができます。

 

3.エンゲージメントとは?

エンゲージメントについて、もう少しだけ解説します。

エンゲージメントは、「仕事に対する活力・熱意・没頭」を伴う、前向きで能動的な心理状態と定義されます。単に不満がない状態とは明確に異なります。

 

多くの研究で、エンゲージメントが高い従業員ほど離職意向が低く、実際の定着率も高いことが示されています。仕事や組織に意味を見いだし、心理的なつながりを感じているためです。

エンゲージメントが高まると、「この仕事は自分にとって価値がある」「この会社に貢献したい」という意識が強くなります。その結果、簡単には辞めようと考えなくなります。この傾向は、年齢や職種、国や文化を問わず、比較的一貫して確認されています。

 

4.エンゲージメントを高めるための具体的な打ち手

では、実際にどのような取り組みが必要なのでしょうか。ここではエンゲージメント向上の視点から例を挙げてみましょう。

 

・会社のビジョンや目的を繰り返し言語化し、共有する
・個人の仕事が組織の成果につながっていることを伝える
・裁量や挑戦の機会を与え、成長実感を得られる環境をつくる
・経営層と現場が対話する場を設ける

 

エンゲージメント向上のポイントは、「自分はこの会社に必要とされている」「ここで働く意味がある」と実感してもらうことです。「会社に必要とされている・ここで働く意味がある」と思えると、人は会社に貢献したい、と思うようになるのです。

 

5.定着率向上は遠回りではなく、近道

従業員の定着率を高めるためには、従業員満足度とエンゲージメント向上の双方の視点が重要であることがお分かりいただけたと思います。

定着率が高まれば、組織の生産性は向上し、その結果、「採用してもすぐに辞めてしまう」という悪循環からも抜け出すことができます。エンゲージメント向上には時間がかかりますが、実は最も確実で、結果的に近道となる取り組みです。

人材の定着に課題を感じている場合は、ぜひ「エンゲージメント」という視点から、組織を見直してみることをお勧めします。

(文責:K.K)

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