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主体性を育む魔法のことば 

1.こんな悩みをもったことはないでしょうか?                                                                          

・・・指示しないと動かない。自ら行動してほしいのに・・・。  

上司としては、もっと自分から考えて動いてほしいのに、どうしても受け身の姿勢が抜けない社員が多いものです。そんな悩みを抱えている企業は少なくありません。 

指示内容に忠実に業務を遂行するのは良いことではあるのですが、それだけでは現代のビジネス環境に対応しきれないのが実情です。 

2. なぜ指示待ち人間が生まれるのか

なぜ、このような「主体性に欠ける社員」が数多く存在するのでしょうか。その背景をひも解くと、日本独自の企業文化と時代背景にたどり着きます。 

戦後から高度経済成長期にかけて、日本は驚異的な成長を遂げました。当時は国全体が右肩上がりで拡大し、製造業を中心に大量生産・大量消費のサイクルが確立していました。その時代に企業が成果を上げる最も確実な方法は、上からの指示に忠実に従うことでした。 

つまり、「上が言ったことをきちんとやれば成果につながる」――この成功体験が、企業文化として強く根付いてしまったのです。結果として、上意下達のスタイルが常態化し、社員は自ら考えるよりも「言われた通りにやる」ことが最も評価される風土ができあがりました。 

3. 時代は変わった――正解のない時代へ

しかし、時代は大きく変わりました。バブル崩壊から30年以上が経ち、もはや「上からの指示を忠実に実行すれば成果が出る」という前提は成り立ちません。 

現代はしばしば「VUCAの時代」と呼ばれます。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)が特徴で、さらに最近ではBANI(Brittle=脆弱、Anxious=不安定、Nonlinear=非線形、Incomprehensible=不可解)の概念も広まりつつあります。                                                        こうした社会においては、経営者でさえ「正解」を持っていません。つまり、経営層から新入社員に至るまで、全員が「自ら考える力」を発揮しなければならないのです。 

もし部下が「指示がないと動けない」状態にとどまっていると、組織全体のスピードは著しく低下します。仮に上司の指示通りに動いたとしても、それが本当に正しいかどうかは誰にも分かりません。時代はすでに変わっているのに、組織内のコミュニケーションが「これをやれ」「あれをやれ」という命令型のままでは、主体性ある人材は育ちません。 

さらに問題なのは、部下が「どうしたらいいですか?」と聞いたときに、上司がすぐに答えを与えてしまうことです。一見、親切で効率的に見えますが、これを続けると部下は「考えない人間」に育ってしまいます。 

4. 主体性を引き出す“魔法のことば”

では、どうすればよいのでしょうか。                                           

それは―― 

「あなたはどうしたいの? 
「あなたはどう思う?」 

という問いかけです。このシンプルな問いかけが、部下の主体性を育むのです。人は問われるとそこから初めて考え始める生き物です。聞けば答えを教えてくれる、とわかっている場合、自分で考えることはせずに分からないことはまず聞く、という行動パターンが定着してしまいます。その行動が繰り返されると、自分で答えを導くことができなくなります。 

しかし、「どう思うの?」「どうしたいの?」という問いを繰り返し投げかけることで、社員は次第に自ら考えるようになり、「自分はこう思います」「私はこうしたいと思います」と意見を述べるようになり、少しずつ主体性が育まれていきます。 

そして、この「答えを与えない」かかわり方は、上司にとっても簡単なことではありません。自分が教えたほうが早いのに、と思うこともあるでしょう。また、部下が出した答えに違和感があったとしても、寛容に見守る忍耐も必要です。 

5. まとめ:自ら考え行動できる人材は競争力の源泉

高度経済成長期に培われた「指示待ち文化」は、今日の不確実な時代には通用しません。経営者も現場の社員も、自ら考え、行動することが求められています。その第一歩として、部下に対して「あなたはどうしたいの?」と問いかけてみてください。                                        問われた部下は、初めは驚くかもしれません。なぜなら、そんなことを聞かれたことがないのですから。         

ですが、日々の会話の中に小さな問いを織り込み、社員一人ひとりが考え、動き出す環境をつくること。それこそが、これからの組織の成長を支える鍵となるのです。組織における「正解のない時代」においては、このような主体性こそが最大の競争力となるのです。 

6. おわりに:中小企業診断士からメッセージ

主体性を育むというテーマは、単に社員教育の問題にとどまりません。組織文化そのものを見直し、心理的安全性と挑戦を両立させる経営環境を整えることが重要です。経営者や管理職が「教える」立場から「考えを引き出す」立場に変わることで、社員一人ひとりの意欲と創造力が高まり、結果として企業の持続的成長につながります。中小企業こそ、こうした柔軟で人間中心の経営スタイルを取り入れることが、これからの競争環境を生き抜く鍵となるでしょう。 

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