小水力発電 2021年12月10日 [コラム|休憩室][野崎 芳信] 星野温泉第一発電所(出典:長野県) 星野温泉小水力発電所導水管(出典:長野県) SDGs関連で地方創生の見地での再生可能エネルギーの検討を進めていくと、以下のキーワードが浮かび上がってきます。 ・地域おこし ・地産地消、 ・農業用水活用 軽井沢の星野温泉の先代の案内で、敷地内の水力発電所を見学したのは、今から30余年前でしたが、自らの強みを生かす考え方は、温泉を訪れた科学者・文化人のアイデアを具体化してきた歴史故と、ヤマボウシの花を見ながら説明を受けました。テントウムシのバス、2人だけの結婚式、馬車の送り迎え、野鳥の森、手作り什器など、今あらゆる観光地で手掛けている工夫です。そして、次の脱炭素の小水力発電も、昭和のはじめに実現しているんです。 仕事で訪れた地域にほれ込み、岐阜県の郡上市白鳥町石徹白に移住した、平野彰秀さんの当時の担当は、農地の水路を活用した小水力発電システムでした。250名の人口の小さな集落に、4機の水力発電所稼働しており、電力自給率230%となり、売電収入で地域活性化の一助となっているそうです。 白山信仰の入口で最盛期には日に3000人もの宿泊者があった集落で、地域の結びつきが残っている最後のタイミングで、山村の生きる技術が高齢者に残されていたそうです。行政の手厚い補助があったとはいえ、250名の15%が移住者を集めるとは立派です。その中で、保育園に行っている子供を持つ若い移住者が多いという面も明るい未来を示します。 今、国内各地で小水力発電を使った地域おこしは、日本の電力消費を満たすもの煮は到底足りませんが、リモートワークに伴う地方活性化のツールとして活用できるのではないでしょうか。