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センチメンタルジャーニー(3)若きウェルテルの悩み

   

    新潮文庫         作者 ゲーテ        シャルロッテとウェルテル

学生時代、京都国連協会の会長から忠告を受けた。新聞を読むより総合雑誌を読め。雑誌を読むより単行本を読め。最新刊の単行本より、古典を読めと。現代ものの知識はあすの命も知れないが、古典は時代の荒波を乗り越えて現在に生き、古典の知識は、生涯に渡って血となり肉とると。

先日、書店で偶然「教養としてのゲーテ入門(「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで)」を見つけて購入した。「ファウスト」は人生の指針となった古典であるが、今回はウェルテルについて触れたい。本書は、独身の若者が、友人のウィルヘルムに送る書簡の形式(書簡体小説)で、心情の激しい起伏を表現している。友人と園遊会に行くとき、シャルロッテを拾い同乗する。美しいシャルロッテには許婚がいると友人より忠告されたが、深い恋に陥ってしまう。シャルロッテの家をたびたび訪れ、幼い妹や弟たちから慕われ、シャルロッテも好意を見せるが、許婚のアルベルトが旅先から帰り、ウェルテルはその地を去る。

別の地で官職につくが、上司や同僚となじめない。親切な伯爵家でのパーティで上流貴族から屈辱を受け、職を辞して元の地に戻る。旧知の作男が未亡人への恋心から殺人を犯した。作男の運命を自分に運命に重ね合わせたウェルテルは自殺を決意する。旅に出るのでピストルを貸してほしいとアルベルトに少年を遣わせる。アルベルトはシャルロッテに、少年にピストルを渡すように命じる。シャルロッテは、ウィルテルの自殺を予感しながら少年にピストルを渡した。ウィルテルは、恋しいシャルロッテの手のにおいを感じながら引金を引いて命を絶つ。

「教養としてのゲーテ入門」の著者によると、ドイツの特定作家のファンは絶命危惧種であると。ゲーテファンとしては寂しい限りである。

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