経営承継事業部

これで万全!経営承継・虎の巻(第41回)

経営承継は中小企業の経営者にとって避けては通れない大きな経営課題です。
経営承継事業部では円滑な経営承継のお手伝いを致します。

■これで万全!経営承継・Q&A

「後継者のための組織づくり」(回答者:高橋 利忠)

<Question>
私は35歳で起業し、今年で30周年を迎えます。自分が元気なうちに息子へ経
営承継したいと考えています。息子に経営承継をスムーズにおこなうには組織
づくりをどのようにすればいいでしょうか?

<Answer>
創業者の強いリーダーシップのもと社員のチームワークが結実して成長・発展
している企業が多く存在します。息子にバトンタッチしたいが、こうした安定
感がなくなって経営が不安定になるのではないかと心配の種はつきません。
しかし、経営承継というリーダーの交代は、プラスに考えるならば、経営組織
の在り方を見直す絶好の機会と言えます。これまで以上に成長していくための
チャンスととらえて、いろいろと見直ししていきましょう。

1.右腕となる人材の選定と育成
後継者のための組織づくりでは、「右腕」となる幹部社員の選定と育成が最大
の課題となります。後継者が重要な意思決定を適切にできるよう、サポートで
きる「右腕」を育てていく必要があります。古参社員は経験豊富である反面、
後継者のリーダーシップを阻害する場合もあるため、経営承継を機に子会社へ
出向させるなど、しがらみが残らないよう調整することが重要となります。

2.経営理念の見直し
企業理念とは「企業の使命」「経営の姿勢」「行動の規範」を端的に表すもの
です。創業時と現在とでは経営環境が大きく異なることから、経営承継のタイ
ミングで、内容を今一度吟味してください。この経営理念は後継者だけのもの
ではなく、従業員にも十分に浸透させることが必要です。従業員も巻き込んで
経営理念を見直せば、従業員の理解も深まります。

3.組織構造の見直し
創業者による集権型経営の場合、必要以上に権限が集中していることがありま
す。現社長のすべての権限を後継者に委ねるのではなく、各部門の長など次世
代の経営幹部に分散させることも検討します。権限と責任を与えることで、経
営幹部の経営参加意識が高揚しモチベーションも高まることが期待できます。
創業者が会長に勇退するケースもあります。この場合、つい担当者へ業務指示
を出すなど、権力の二重構造が発生しないよう、配慮する必要があります。

4.人事制度の見直し
採用、配置、評価、報酬、能力開発等について、新経営者の視点で点検します。
人事制度を見直すと、従業員の意識レベルが変わります。また新社長が積極的
に1人1人と面接するなど、意識的なコミュニケーションをこころがけること
で新しい人間関係が芽生え、社内の活性化が期待できます。

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 経営承継事業部では,ご好評により第2回10ヶ月連続「経営承継ミニ・セミ
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   場 所:mio新都心5F(新都心ビジネス交流プラザ)
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  経営承継の課題は個別企業により異なります。中小企業診断士が、中小企
  業の皆様の経営承継に関する様々なお悩みに対し、じっくりとご相談させ
  ていただきます。ご希望の方には経営承継診断書(簡易版)を無料で作成
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これで万全!経営承継・Q&A(第40回)

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■これで万全!経営承継・Q&A

「M&Aにおける中小企業の特有な問題」(回答者:佐藤 節夫)

<Question>

新聞などでM&Aの記事をよく見かけますが、その記事は大概が大企業による
M&Aの記事です。中小企業の経営者としては、何か違うなという違和感があり
ます。M&Aによる経営承継について、大企業とは異なる中小企業特有の問題と
か違いがあれば教えてください。

<Answer>
 大きな違いの第一は、中小企業は一般的にオーナー経営者によって経営され
ており、いわゆる「所有と経営の分離」がなされていないこと。
 次に、オーナー経営者は対外的な信用と従業員の指揮監督責任を一身に背負
っており、中小企業経営者はまさに経営者の属人的な能力に負うところが大で
あること。
 さらに、中小企業は一般に株式を上場しておらず、法律で定められた会計監
査を受ける必要がないことから、節税処理に重きを置いた経費処理ならびに会
計処理を行なっていることが多いこと。
 以上3点が大企業とは異なる中小企業の特性であり、なかでも「節税に重点
を置いた経費処理・会計処理」がM&Aにおいて大きな問題となる可能性があり
ます。
 具体的には、こんなケースがあります。
「当社の経常利益は見た目にはほぼ収支トントンである。しかし、経営者の
報酬や事実上オーナー一族の個人的な用途にまわっていたもの、および削れる
と思われる冗費を除くと、実質的な経常利益は○○千万円以上である。企業価
値を算出する場合には実質的な経常利益で判断してもらわねば・・・」

 企業価値を実質的な利益で判断すべきというのは理論的にはその通りです。
しかし、M&A実務の現場に即して理解しておく必要があるのは、本当の冗費が
どこからどこまでなのか、買い手側が客観的に検証するのが難しい場合が多く
あります。
 また、経営者の報酬は、金額の大小はあるとしても、経営管理という職務の
対価としての報酬であり、買い手側が新たに経営者を送り込む場合には職務に
見合ったコストが改めて発生します。
 さらには、事実上オーナー一族の個人的な用途にまわっていた経費は、買収
後に税務調査が行なわれた結果、役員賞与と認定され、損金性が否認され、修
正申告を求められることもあります。
 このように、中小企業のM&Aにおいてよく問題となるのは、「決算上の経常利
益」と「実質的な経常利益」の議論の背景には、実はいろいろなリスクが隠さ
れていることがあり、交渉がうまくいかないケースが多いということです。

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 ナー」(無料)を2012年3月より時間帯を変えて開催します。

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   日 時:平成24年5月10日(木)17:00~18:30
   場 所:mio新都心5F(新都心ビジネス交流プラザ)
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これで万全!経営承継・虎の巻(第38回)

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■これで万全!経営承継・Q&A

「経営承継に活かす「信託法」」(回答者:佐藤 節夫)

<Question>

子供は二人おりますが、将来、承継する気はなく、残念ながら従業員を含む親
族外承継を選ばざるを得ない状況です。最近、信託による経営承継の方法があ
ると聞きましたが、その方法とはどんなものでしょうか? 

<Answer>

「信託」を経営承継に使うことは、これまで全くありませんでした。しかし、
84年ぶりの信託法の改正と、それに対応しての信託税制が整備されたことで、
経営承継対策としての「信託」の活用が可能となり、①親族への承継、②従業
員等の親族外への承継、③M&Aによる承継、に加えて④「信託」による経営
承継が「第4の方法」として開発されてきています。

 「信託」とは、その名のとおり「信じて託する」制度です。信託の当事者と
して、①委託者、②受託者、③受益者がいます。信託の機能として、①財産管
理機能、②倒産隔離機能、③財産の転換機能などがあります。

 受託者が信託を商事目的で継続反復して行うか否かにより、商事信託および
民事信託に分類されます。

「商事信託」とは、信託の受託社が業として不特定多数のものを対象に引き受
ける信託です。この場合、受託者は信託法だけでなく、信託業法の厳格な規制
に服します。

一方、「民事信託」とは、信託の受託者が限定された特定の者を相手として、
営利を目的とせず、継続反復ではなく、1回だけ引き受けする信託です。個人
または中小企業の経営者の意図を実現するため、委託者と受託者の間で独自の
信託契約を締結し、様々なコストを抑えつつ、信託のメリットを生かすことが
できます。
 活用が期待される「民事信託」には、①事業信託、②自己信託、③目的信託、
などがあり、ご質問のケースでは、「事業信託」が考えられます。

 「事業信託」とは、企業の事業そのものを負債を含めて信託の対象とする信
託で、後継者がいない場合、経営能力のある第三者に事業信託すれば、「経営
承継の第4の方法」となります。

 「自己信託」とは、「委託者=受託者」の信託で、自分で勘定を分け、「自
ら信託行為をします」と宣言(「信託宣言」)するだけで、事業を分けること
が可能となるので、後継者に経営能力がなく自社の従業員に有能な人材がある
場合には有効な方法になります。

 「目的信託」とは、受益者の定めがなく、何に使うかという目的がある信託
で、新たな相続の手段が増えたことになります。

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  ▽開催予定概要(第1回:円滑な経営承継の実現に向けて)
   日 時:平成24年3月8日(木)17:00~18:30
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これで万全!経営承継・虎の巻(第37回)

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「経営承継は長寿企業への第一歩」(回答者:長谷川勇)

<Question>

 私は現在57歳で、和食レストランの創業経営者です。経営は順調で、幸い
次男が学校卒業後コックとして他店で修行して、3年前より店で働いています。
次男は勤勉でコック仲間との関係もよく、後継者として期待しています。自分
で創業したお店は、自分の子供のような存在で、経営承継にあたり長寿企業と
して育てるための秘伝を教えてください。

<Answer>

 創業経営者としては、創業した企業を長寿企業に成長させたいお気持ちは万
人共通の願いです。ご子息は、2代目経営者としての素質と経験をお持ちのよ
うですので、円滑に2代目に経営を引継げるように、地盤を整備して経営を承
継しましょう。その秘伝は、次の通りです。

1)経営理念を定め文書化する
 ゼロからのスタートで、今日のお店に成長させたことは、顧客に愛される何
かがあるはずです。顧客に愛されている何かを見出し文書化しましょう。それ
は、創業の熱き想いや、地域社会に貢献したい志などです。熱き思いや志を文
書化し、店頭に掲げ、朝礼で唱和して従業員の心と体に染み込ませ、企業文化
にまで昇華させて後継者に経営権を譲りましょう。

2)長寿企業の経営哲学を学びましょう
 長寿企業は、長寿企業たる何かがあるはずです。長寿企業を学ぶことで、自
社の存在理由が見出せるはずです。外国を見ることで自国が見えるように、長
寿企業を見ることで、自社の良い点や自社と長寿企業の共通点を見出し活かす
ことが、長寿企業への第一歩です。次男や若手幹部と共に作業を進めることで、
経営哲学を共有し次世代に引継ぐことに繋がります。

3)「企業はヒトなり」を実践する

 事業承継はヒト・モノ・カネの承継ですが、「モノとカネ」の相続と理解され
がちです。しかし、「ヒトと知的資産」の承継はさらに重要です。「知的資産」
は、ヒトの身についた技術ノウハウ、経営理念、組織力、人的ネットワーク、
取引先とのネットワークなどです。NHKのテレビドラマ「ハゲタカ」を見ら
れた方は、最後の場面を思い出してください。アメリカのM&Aファンドが日
本企業を買収した直後、無口のレンズ磨き職人が退社し、ファンドは「もぬけ
の殻」を買収したことになってしまいました。経営承継も、M&Aと同じです。
経営承継までに、時間をかけて人材を育成して、知的資産を蓄積する。経営承
継に際して、知的資産を身につけた貴重な人材が散逸しないような、後継者や
後継者を支える幹部候補を選択することが現経営者の役割です。経営承継が、
「モノとカネの承継」よりも重要な理由です。
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 ■経営承継ミニ・セミナー(無料)
  ▽開催予定概要(第1回:円滑な経営承継の実現に向けて)
   日 時:平成24年3月8日(木)17:00~18:30
   場 所:mio新都心5F(新都心ビジネス交流プラザ)
   申込み:下記より申込書をダウンロードしFAXでお申込み下さい
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2012年 ミニ・セミナー開催のご案内

2012年も連載コラム「これで万全!経営承継・虎の巻」の内容を、
より分りやすく、より詳しく解説するミニ・セミナー(無料)を開催します。
昨年とは開催の時間が変更になっている点にご注意ください。
お気軽にご参加下さい。

こちらからミニ・セミナー申込書をダウンロードし、必要事項をご記入の上、FAXでお申込み下さい。


<開催概要>
■会場
新都心ビジネス交流プラザ(mio 新都心5F)
〒338-0001 さいたま市中央区上落合2-3-2(JR 北与野駅前/徒歩0分)

■日時
毎月第二木曜(17:00~18:30) ※受付16:45~

■テーマ
第1回「円滑な経営承継の実現に向けて」(2012.3.8)
 円滑な経営承継に必要なポイントと長寿企業に学ぶ経営承継のポイントを解説

第2回「親族内承継と親族外承継」(2012.4.12)
 親族内承継・親族外承継それぞれの特徴、及び成功するためのポイントを解説

第3回「経営承継における所有と経営」(2012.5.10)
 経営支配権を確立し、安定的な経営を行なうための種類株式の活用法を解説

第4回「経営承継におけるM&A」(2012.6.14)
 経営承継におけるM&Aの現状、中小企業がM&Aを成功させるためのポイントを解説

第5回「後継者のための経営承継」(2012.7.12)
 次期経営陣が安定した経営を行なえるよう、現状の経営基盤を磨き上げるポイントを解説

第6回「事業継続と経営承継」(2012.8.9)
 事業継続か廃業かの意思決定におけるポイント、人的資源を有効活用するための制度づくりについて解説

第7回「経営承継と経営革新」(2012.9.13)
 経営承継と経営革新の関係性、後継者の経営意欲の引き出し方を解説

第8回「後継者の育成と企業風土」(2012.10.11)
 戦略的思考による後継者の教育、後継者がリーダーシップを発揮する企業風土について解説

第9回「企業再生型の経営承継」(2012.11.8)
 既存事業は廃業し、将来有望な新規事業を後継者に承継したい。企業再生手法による経営承継を解説

最終回「経営者の勇退と経営承継の重要性」(2012.12.13)
 経営者の勇退後の生きがいづくり、経営承継の本質とは何かを解説


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事業部紹介

経営承継事業部は、円滑な経営承継を実現するための、コンサルティング・セミナー・執筆研究を実践する経営コンサルタントのグループです。
経営承継、円滑な経営承継を実現するための経営革新、後継者に選ばれる企業にするための企業再生などの一体的商品開発により、クライアント満足を優先させることを基本方針として貫いています。

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