5.VA・VEの王道を探る
5-1.はじめにVAありき
● ベターコストの積み上げが
ベストコストを成すための『攻めのコストダウン技法』には、まずVAがあげられます。これは端的に、コストの構成要素を個別に価値分析(Value Analysis)することによって、より価値の高い原価要素すなわち製品や商品・サービスの生産に必要な『資材』や『用役』を個別に置き換えていこうとするものです。
分析される価値(Value)は、資材や用役が果たす機能(Function)を獲得するためのコスト(Cost)で割り、V=F/Cの関係によって表わします。そして比較価値の大きな「より良いもの」と置き換えるというのですから、この手法の原理は明解です。
つまり、同じ機能のものであれば「コストの低い方」が、同じコストであれば「高機能なもの」が、相対的に大きな価値を示すというわけですから、これはもう常識だといえるでしょう。
技術進歩の目覚ましい時代ですから「高機能かつ低価格」といった、両要素を一挙に満たす『資材』や『用役』または『システム』が、新しく出現してくることは必然的に起りうるはずです。ですからベストコストの追求には、先ずベターコストの選択ともいうべきVAを積み上げていくところから始まります。