ものづくり事業部

月別アーカイブ:2011年 3月

アイデア開発 第4章 アイデア開発 3~5

成功する企業には新商品開発がある

4.中心課題アイデア開発  - 新商品の発芽は逞しく -

4-3.発想技法とアイデア開発

〔技法上の共通原理〕

● いろいろな発想法
 アイデアを発掘するための、いわゆる発想技法は30種類以上もあるといわれます。ちなみに、よく知られる着想や発想の技法は、図表4-11-1,2のようなものです。
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● 発想原理への私論
 このように一覧表にして並べてみると、多くの技法や手法には、何となく共通点があることに気付きます。それは発想という人間の思考に関し、多分に心理学的な要素を加味して整理されているからでしょう。その要素は、いわば発想の原理として私論ですが、図表4-12のようにまとめられるのではないでしょうか。
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 発想は『沈着冷静』に考えることも大切ですが、人々の思考を大いに『振動させ』『沸騰させ』る方がいいこともあるようです。つまり個人のヒラメキも大切 ですが、各人のアイデアを「掻き交ぜて反応」させ、新しい「物質を発現」させようとする、いわば化学実験のような原理が言えると思います。
 こんな戯言を『発想の原理』というのは、屁理屈かもしれません。が、誰かの考え方や何らかのツールが、自分の思考に「ヒントを与えた」ことや、記録しなかったばかりに「インスピレーションを逃した」ことなど、どなたも経験しているのではないでしょうか。
 また、せっかく考えたことは、何らかの形で「仕事に活かしたい」と思うのも、ビジネスマンの心情です。ですから発想技法の理解には、それなりの意義があるわけです。
 それにしても人間が発想する過程は、あたかも彫刻を仕上げていく作業のように思いませんか。つまり製品フレーム(骨格)を立て、情報という粘土(アイデアの材料)を練って、アイデア(新商品イメージ)を自由にくっつけていくわけです。
 すると新商品イメージは、時間の経過とともに徐々に「固まってくる」というプロセスです。まさにアイデア開発は、図表4-13のような陶芸と同じ『創造的な作業』であることに違いありません。
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アイデア開発 第4章 アイデア開発 1、2

成功する企業には新商品開発がある

4.中心課題アイデア開発  - 新商品の発芽は逞しく -

4-1.新商品イメージを描く

〔商品イメージが必要なわけ〕

● はっきりしたイメージでなくても
 既に設定した商品フレームの中で、豊富に収集された情報をバックに「あのマーケットにこんな商品はどうだろう」というように、新商品のイメージを描いていきます。あたかもコンピュータの世界の『バーチャル・リアリティー』のような形式で、新商品イメージが描かれます。
 描かれ方は、グラフィック・デザインなどで『実物と同じように』描かれるのと同じ理屈です。が、まだこの段階では『モックアップ模型』のようなところま で、具体的に形づくっていかなくても、漠然としたイメージだけで十分です。新商品企画の第3ステップはこのように、商品イメージの形式で新商品アイデアを開発していくのです。

● 人間の特権として
 なにごとにおいても、創造は人間だけがなしうる不思議な行為です。が、新商品開発に『関心を集中』し、『意識的』にマーケット事象を見ている過程で図表4-1のように、おぼろげながらでも「こんな商品」というイメージが涌いてきませんか。
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 それこそ、「寝ても覚めても」新商品が欲しいと考えるうちに、何となく「こんなものがあれば」便利ではないかとか、商売として「これはイケるぞ」といったイメージが描けてくるわけです。
 しかし「涌いたり」「何となく感じたり」では、新商品アイデアはいつ生まれるかわかりません。これでは会社の事業としての業務上の計画的なアイデア開発になりません。
 ですからアイデア開発は、いろいろな調査をして蒔いた『新商品の種』を『うまく発芽』させる作業として、「意識的に会社の業務として」やらねばならないのです。

● ただ何となくでなければ
 そこで、あるポスターを画くことに例えて、アイデア開発を考えてみると、図表4-2のようになるでしょう。このような過程を経て、印刷されたポスターは裁断や包装され、販売できるような商品に仕上げていきます。
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 これが新商品開発に必須な各ステップですが、その素となる最初の新商品構想がなければ、ポスターは完成する保証がないのです。しかし逆に、早々と新商品構想を固め、直接的な開発コストを掛け始めてしまうとやり直しが効かず、具体的な設計前に「図柄を固める」意味がなくなってしまいます。

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新商品と情報 第3章 情報モンスター 3、4

成功する企業には新商品開発がある

3.情報モンスターに挑む  - 新製品開発の幹を構築 -

3-3.能動的な情報活動

〔実際の調査ステップ〕

● 能動的な情報
 情報活動の「中心は調査」です。調査とは「積極的に情報を集めにいく」ことが第一要件です。そして次の調査要件は、収集した大量の情報を整理・分析し、社内で使える情報レベルまで質を高めることです。調査ステップは、常識的ですが図表3-10に示すとおりです。
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● 受動的な情報はない
 仮に何らかの機会に『耳寄りな話』を受けたとしても、自分の関心事でなければ、また「その気になって」聴かないかぎりは、情報になることはありません。 ですから新聞・雑誌の一般的に『受動的な情報』のケースであっても、積極的に受け入れなければ「情報にならない」わけです。
 一般的な調査対象から得られる基本情報は、まったく常識的な図表3-11のようなものです。
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 また、一般的な調査対象としては情報の三要素に類別すると、これも常識的な図表3-12が考えられます。ですから一般的な調査はいずれも、全く常識的な内容になるのですから、調査のもうひとつの要件である整理、分析が加わらないと、調査にならないわけです。
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● 基礎知識とは違う調査テクニック
 ただ、実施段階では調査テクニックが、効率性と調査品質を決めます。調査対象が個別的・専門的な内容であれば、前工程の調査実行で高度なテクニックを要し、一般的、常識的な内容であれば、後工程の整理・分析段階で工夫を求められます。
 それにしても、新商品企画のためと勢い込んだところで「どこかに潜り込んで極秘情報を得る」的な、産業スパイもどきの活動が、調査担当者に要求されるわけがありません。
 また、アップストリームに情報を求めるときは、至極当然ながら調査テクニックよりも『技術的な基礎知識』の方が要求されます。経済的知識がなければ、経済調査ができないのと同じで、これは調査テクニックと違います。

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新商品と情報 第3章 情報モンスター 1、2

成功する企業には新商品開発がある

3.情報モンスターに挑む  - 新製品開発の幹を構築 -

3-1.新商品フレームの検証

〔情報源を求めて〕
● 人にとって情報とはなにか
 かなり以前に、情報という言葉は森鴎外の造語だと聞きました。つまり「情(なさけ)を通じて報(しらせ)を知る」ことからきたといわれます。明治の大文豪が「心そこにあらざれば、もの見えず」とつぶやいたかどうか、知る由もありません。が、情報洪水とか、情報公害とかいう言葉さえ聞かれる現代、その対象に関心がなければ、同じ情報が入っても何の反応もないことは、たしかに経験するところです。
 この実感からすると、コンピュータの世界で『情報処理』という言葉が使われるのは、『信号処理』というべきです。信号は、機械で処理できますが、情報は人間でなければ処理できません。

● 勘や閃きと情報
 新商品企画のために、情報そのものに対する知識は、たしかに必要です。が、情報を収集し、処理し、活用していくうえで、情報の性質を整理して理解しなければ、絶対に活用できないものでもなさそうです。
 新商品開発に際しては閃きが貴重です。もちろんこれらがはたらくのも、豊富 な『知識という情報』の蓄積があればこそですが、「あのとき、なぜ閃いたか」といったような詮索は不要です。これに拘りだすと『インスピレーションの由 来』など、情報の活用法と離れたところに関心事が流されるおそれがあるわけです。こうなると、新商品開発で「占いによる地震予知」のような側面が強まり、 およそビジネスの話でなくなります。

● 鶏が先か卵が先か
 さて情報収集の話が、商品コンセプトの後にきた意味です。たしかに、情報とコンセプト樹立は「鶏と卵の関係」にあります。鶏を先におけば、情報収集しないでコンセプトなど立つはずがないという理屈です。が、筆者は卵を先におき、周辺分野という『仮親』に『商品コンセプトの卵』を生ませます。
 そんな『タマゴッチ』のような理由を一言でいうと、自社の商品フレームが「どちらに向かっている」のか、「どのような領域にある」のかということがはっきりすれば、情報に対する集中力が増加することです。
 集中力が増し、情報マインドが高まると、情報源が定まって上質の情報が大量に入ります。ですから、商品コンセプトが先に必要だという主張です。
 ただ、ここでは新商品企画の必要性から、情報の受け手側が積極的に収集しようとする情報だけを主体として考えます。
 つまり新商品開発には、企画、実施計画、設計・試作、生産・販売すべての段階に情報が不可欠です。ですから論点を限定しないと、この情報というモンス ターにはとてもかなわないでしょう。ただし情報自体は、についてどの段階においても、その本質に変わるところはありません。

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事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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