7.ベストコストづくりを考える
7-2 目標コストの設定と新製品企画
● プロダクトアウトからマーケットインへ
ベストコストの追求手順としては、これから開発する新製品が「いくらなら買ってもらえるか」と、マーケットイン的に考えるのが順当です。が、その王道に逆行するようですが、開発企画の段階では「いくらで売れなければならないか」という『造り手』や『売り手』側に立って、プロダクトアウト的な視点から始めるべきです。なぜなら開発に取り掛かる前では、品質形成に必要なコストの『計数的な根拠』が掴めないからです。
ですから最初は、自社内で『把握しうる数値』を根拠にした『仮設の販売価格』を設定してみます。その仮設売価と、開発対象と類似品の市場実勢価格とを照合しながら、狙うべき目標コストの水準を探っていくことになります。つまりプロダクトアウトから始まっても、最終的な販売段階ではマーケットインに帰すというわけです。