近年、企業活動のあらゆる場面において「データ活用」という言葉が定着しつつあります。売上や利益といった財務データに限らず、業務プロセス、顧客行動、アンケート結果など、企業の内外には多種多様なデータが蓄積されています。しかしその一方で、「データは集めているが、十分に活用できていない」「データ分析した報告資料は作っているが、意思決定に結びついていない」といった課題も多く聞かれます。背景には、データの量や複雑さが増す中で、人が理解し、判断するための整理が追いついていないという現実があります。こうした課題に対し、有効なアプローチとしてデータビジュアライゼーションがあります。ここでは、データビジュアライゼーションの基本的な考え方と、人の知覚特性を踏まえた実務活用のポイントについて紹介します。
1.データビジュアライゼーションとは何か
データビジュアライゼーションとは、文字や数値で表現されたデータを、グラフや図表といった視覚的な形式に変換することを指します。単に「見た目を良くする」ことが目的ではなく、データを介したコミュニケーションを円滑にするための手段である点がポイントです。業務におけるデータ活用では、以下のビジュアル分析サイクルのTaskから始まり、そのTaskを忘れることなく各工程を素早く行き来することが重要です。そのためにデータビジュアライゼーションが必要となってきます。
2.なぜ可視化すると理解が進むのか
数値が並んだ表を前にして、短時間で特徴や傾向を把握することは容易ではありません。特に、項目数や期間が増えるほど、人はどこに注目すべきかを見失いがちになります。一方で、同じ情報でもグラフ・チャートとして表現されると、違いや傾向を直感的に捉えられるようになります。(下図参照)
この違いは、人間の脳が持つ情報処理特性によるものです。人は、文字や数字といった記号情報よりも、視覚情報を圧倒的に速く処理できるとされています。また、色や位置、サイズといった要素は、意識的に注意を向けなくても自然に認識されます。これらは「Pre-attentive Attributes(前注意的属性)」と呼ばれ、データビジュアライゼーションの基礎となる考え方です。適切に可視化されたデータは、「考える前に気づく」状態を生み出し、分析や議論のスタートラインを大きく前進させます。
3.実務で意識したいデータビジュアライゼーションの活用ポイント
1)色は意味を持たせて使う
色は非常に強い視覚情報です。そのため、すべての要素に色を使うと、かえって注目点が分からなくなりま す。強調したい箇所や比較したい対象など、目的を持って限定的に使用することが重要です。
2)使用する色数は最小限に抑える
基本はベースとなる色とアクセントカラーの組み合わせとし、多色使いは避けます。情報量を増やすことよりも、「何を伝えたいのか」を明確にすることが優先されます。
3)不要な装飾は排除する
枠線、影、背景装飾などは、情報理解の妨げになる場合があります。可視化の目的に直接関係しない要素は、ノイズとして取り除くことが望まれます。シンプルイズベストです。
4)3D表現は慎重に扱う
3Dグラフは視覚的なインパクトはありますが、正確な比較や数量把握には不向きです。実務においては、2D表現の方が適切なケースが大半です。
4.データビジュアライゼーション利用における効果と期待
データビジュアライゼーションを業務に取り入れることで、次のような効果が期待されます。
- データ理解に要する時間の短縮
- 説明や報告にかかる工数の削減
- 会議や打合せにおける本質的な議論の増加
- 意思決定のスピードと質の向上
特に、提案書や報告資料、経営会議向け資料などにおいては、「説明しなくても意図が伝わる」状態を作ることが、合意形成や迅速な意思決定につながります。




をするのではなく、一足先に取組むことが未来の成功に繋がるのではないでしょうか。正解のない課題を最適なかたちに導くこと・導ける人材が最も付加価値が高く、最も優秀な人材であると評価されるような日本社会・労働市場になることが日本再生のカギの一つになると思います。昨今、中小企業の人手不足倒産が頻繁に報じられていますが、人手不足倒産の実態は「低収益・低賃金倒産」です。魅力的な賃金を提示できれば採用可能ですが、利益を出せず賃金アップを提示できないため人が集まらないのが実態です。今こそ独自の労務・人事改革に取組み、稼ぐ力の再構築に積極的に挑む時ではないでしょうか。

