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第45回 急がれるHACCP対応

2018年6月に改正食品衛生法が可決し、食品の製造・加工、調理、販売等を行う全ての食品等事業者はHACCPの義務化の対象となることが決定しました。2年後の2020年の6月に施行され、1年間の猶予期間が設けられていますが、2021年6月からは完全に義務化されることになります。この時点でHACCPの衛生管理を導入していない食品等事業者は、食品衛生法の違反になります。食品等事業者は、保健所に営業許可を届け出る必要があるため、事業者が衛生管理計画の策定やその遵守を行っているかについて、保健所等が、営業許可の更新時や通常の定期立入検査等の際に確認することとなります。

HACCPの概要
HACCP とは、HA(Hazard Analysis:危害分析)とCCP(Critical Control Point:重要管理点)のことで、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis )します。その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じれば、より安全な製品を得ることができるかという重要管理点( Critical Control Point )を定めます。そして、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。
例えば、食品の原材料の受入から出荷までの工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの危害を予測(HA)した上で、危害の防止につながる特に重要な工程である熱処理工程(CCP)の殺菌温度や時間を連続的・継続的に監視し、記録することにより、製品の安全性を確保します。

HACCPの導入状況
農林水産省の平成30年度、食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査によると、「導入済み」の企業は 41.9%、「導入途中」を加えると61.6%でした。しかし、売上規模別にみると、売上規模が 50 億円以上の企業では9割が「導入済み」だが、売上規模 5,000 万円から1億円未満の企業で約2割、5,000 万円未満の企業では約1割でした。「HACCPには施設・設備の整備資金が必要」や「HACCP導入後に係るモニタリングや記録管理コストがかかる」などの認識があるため売上規模が小さくなるほど導入割合は下がり、小規模企業へのHACCPの周知、導入が大きな課題となっています。

コストのかからないHACCPの衛生管理導入
厚生労働省では、小規模事業者が対象となる「食品製造におけるHACCPによる衛生管理普及のためのHACCPモデル例」を製品事例ごとに作成して公表しています。この手引書は、温度管理や手洗い等の手順を定め、簡便な記録を行うことで、比較的容易に取り組めるものです。HACCP は工程管理の基準であり、必ずしも施設設備等の整備を求めるものではありませんので現行の施設設備を前提とした対応が可能です。
厚生労働省のHACCPモデル例:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126913.html

埼玉県のHACCP導入支援
埼玉県では、食品等事業者向けHACCP支援講習会の開催や「彩の国ハサップガイドライン」を設けて、必要最小限の衛生管理要件を抜き出した埼玉県独自の衛生管理指針を作成しています。また、『埼玉県食品衛生自主管理優良施設確認制度』では、衛生管理が、一定水準を満たしていることを確認し、確認済票の交付と県のホームページで施設名等を公表する取組みがあります。詳しくは、 施設を所管する保健所へお問い合わせください。
埼玉県のHASSP導入支援:
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0708/haccp/haccp-top.html

 

第44回 2020年補助金始動!

2020年度の政府・自治体予算案が確定しつつあり、今年も各種補助金公募が間近となってまいりました。
今年の補助金の特徴や主な変更点を追ってみます。

  1. ものづくり補助金
    2020年は、一般型以外にグローバル型等5類型に多様化/最低賃金要件追加と賃上げ年1.5%要件化/創業者優遇加点(3年内モノ補助交付者減点)/3か月ごと複数回採択/全面Jグランツ電子申請等が変化点および特徴です(3月~公募開始予定)。
  2. エネルギー合理化補助金
    SIIが公募する省エネ補助金以外に、エネルギー合理化補助金生産設備枠が新設されて、マシニングセンター・レーザー加工機・射出成型機・プレス機・印刷機等の最新型式が対象となります。補助率は1/3ですが、高額設備の場合は上限1,000万円のものづくり補助金よりも高額補助となり得ます。
  3. IT補助金・事業承継補助金
    2019年と類似のIT補助金および事業承継補助金が予算化されています。市販のITソフトウエア購入ならIT補助金を(A類型上限150万円・B類型上限450万円)、2017年4月以降に経営者が交代して新たな取組を行う場合は事業承継補助金(経営者交代型225万円・M&A型450万円<通常>)を申し込めます。
  4. 省エネCO2リサイクル設備高度化補助金
    廃棄物・3R財団が78.3億円の予算を基に、プラスチック&非鉄金属リサイクル事業者のマテリアルリサイクル国内循環に資する破砕・選別・洗浄・造粒等の設備投資の1/2補助を複数回募集します。
  5. 電子申請システム「Jグランツ」
    大半の補助金申請が「Jグランツ」という電子申請に統合され、「Jグランツ」を利用するためには「GビズID【gBizプライム】」を事前申請・取得する必要があります。

補助金のご相談はさいたま総研(TEL:048-859-6849/E-mail:soken@ss-net.com)まで。

第43回 先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定で、税制支援が受けられます

国は、中小企業の設備投資を後押しするため、様々な施策を用意しています。本稿では、先端設備等導入計画の認定で受けられる固定資産税の特例、経営力向上計画の認定で受けられる法人税の特例についてご紹介します。

1.先端設備等導入計画と固定資産税の特例について
先端設備等導入計画とは、中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。認定された事業者は、生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置(3年間、ゼロ~1/2の間で市町村の定める割合に軽減)を受けることができます。

例えば、耐用年数12年、15,000千円の機械装置を購入するにあたり、事前に先端設備等導入計画の認定を受けていれば、固定資産税が3年間で最大約480千円軽減されます。

2.経営力向上計画と法人税の特例について
経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。認定された事業者は、計画に基づき一定の設備を新規取得して指定事業の用に供した場合、即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

例えば、耐用年数12年、15,000千円の機械装置を購入する場合を考えます。設備取得年度の税負担軽減目的なら即時償却を選択し、長期の法人税額合計を減少させる目的なら税額控除を選択します。10%税額控除なら、1,500千円の税額控除となります。但し、補助金10,000千円を受給して圧縮記帳の適用を受ける場合は、圧縮記帳後の金額(5,000千円)が設備取得価額となりますので、その10%(500千円)の税額控除となります。また、税額控除額は、その事業年度の法人税額の20%を限度とするなどの注意点があります(1年間の繰り越しは可)。

3.まとめ
先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定による税制支援は2021年3月までの時限措置です。計画認定を受けるためには、設備投資によって労働生産性を一定程度向上させる事業計画を策定しなければなりません。先端設備等導入計画では、導入設備が先端設備等の要件を満たすことを証明する工業会証明書が必要です(経営力向上計画は工業会証明書を用いた申請方法と別な申請方法とがあります)。

設備投資を予定されている事業者様におかれましては、補助金・助成金の利用と併せてこれらの計画認定をご検討されることをお勧めします。

第42回 ルール改正の善悪

 日本代表の活躍もあり、ラグビーがとても盛り上がっている。私自身はにわかファンに入るのか否かは判らないが、大学ラグビーを25年間位見続けている。
スポーツを真に楽しむには、ルールを覚える事が不可欠である。そのルールであるが、ラグビーに関しては、かなり変更されている。例えば、トライの得点また、反則を犯した際のマイボールラインアウト、そのラインアウトの際のリフトアップなど、これによりマイボールラインアウトでモールを組み、そのままトライへ持っていける事ができる。ラグビーはやはり、トライをするシーンが最高に興奮する。それに向け試行錯誤し改良している。

私もここ5年間位趣味で中学時代にプレーしていた、卓球を始めている。卓球もルールが変わっていた。まず、得点方法だ。私が中学生の頃は21点マッチであった。現在は周知のように11点マッチだ。これは明らかに観客(見る側)を考慮した改正である。つまり、試合時間短縮を目的としたものだ。実はその一年前卓球のボールの大きさも変更されている。38mmから40mmのボールになったのだ。これも見る側を考慮した改正で、卓球で一番興奮するのは、やはりラリーが続いているときである。ボールを大きくし空気抵抗が働き、ボールが失速する事によりラリーが続き易くなるが、時間が長くなるという反面性を持ち合わす。

私の話に戻すと、この改正が行われた頃は卓球をプレーしてはいなかった。従って、このルールに対応する練習はしなかった。しかし、この頃プレーしていた選手は相当な苦労だったと考えられる。
私がプレーする様になってからもボールの変更が行われた。セルロイド製からプラスティック製に変更された。全員同時の対応とはいえ、やはり苦労した。

図1図2

 

 

この様にスポーツの根本であるルールを、選手の意見も聞かず事務方のみで改正していくのは、良い事なのであろうか?
この改正により各メーカーも苦労し対応している。これにより各種道具は技術的に進化している。例えば、先ほどのラグビーでいえば、フォワードのユニフォームは相手につかみづらい様なつくり、バックスのユニフォームはボールがこぼし難いつくりになっている。
卓球もラケット、ラバーとこの数年の進化は目覚ましい(プレーしている側からすると、単価が上がってしまい大変になったが)。選手を無視したルール改正は悪なのかもしれないが、技術革新を考えると良いのかもしれない。

最後にこの原稿に至る過程でお世話になった卓球メーカーのニッタク様には本当に感謝の意を表したい。

第41回 「中小企業を革新に導くイシューの共有(企業の宝探し)」の勧め

失われた30年と言われる平成が終わりました。この間、我々は何をしてきたのでしょうか。負の遺産を積み上げ、バブル経済に酔い、幻の高度成長を追いかけてきたような気がします。
中小企業は日本の経済に大きな役割を担ってきました。中小企業向きの仕事も十分にありました。しかし、今ではかつてのように下請けの仕事は降って湧いてきません。中小企業には今の時代を生き残るために必要な経営革新による成長が求められます。

経営内容の優れた中小企業は、事業の小さな変化を見逃さず将来の発展につなげていく絶えざる創意を凝らしています。
本稿では、中小企業を支援するコンサルタント(コンサル)に求められる、創意を促し、持続可能な「中小企業を革新に導くイシューの共有(企業の宝探し)」を提言してみたいと思います。

「いままでうまくやってきたのだから多少苦しくても現状どおりやっていた方が間違いない。」「それだけの投資もしてきたし現状を変えるのは嫌だ。」行動経済学では、このような現状維持が良いと感じてしまう心理を、現状維持バイアスとか、サンクコストバイアスと想定しています。
中小企業の経営者には苦労して会社を軌道に乗せた人が多く、現状の経営を変えることには心理的に抵抗があるようにみえます。心理的な意思決定のバイアスが解かれて革新的な経営が展開されるなら中小企業をはじめとする日本経済はもっと元気が出て、活力が生まれます。

コンサルは、クライアント企業に革新を起こすきっかけ作りとして、当該企業の存続発展のために取り組まなければならない問題、すなわち、イシュー(Issue)は何なのかを、経営者とともに突き詰めて考えてみることです。換言すれば、当該企業が潜在的に持っている宝探しのお手伝いをするのです。

現代社会は、VOCA(ヴーカ)ワールドといわれています。VOCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を集めたものです。世界中がインターネットでつながり複雑で多様な情報が錯綜しています。また、政治、宗教、気象変動など企業を取り巻く環境は変転として予測不能な状況にあります。
当該企業のIssueの認識は、置かれている状況を疑ってみることからスタートすべきです。昔の常識・理論は通用しない社会になっているからです。コンサルは客観的な情報を伝えられる有利な立場にあります。

人は様々ですからいろんな考えがあります。しかし、空理空論をもてあそぶコンサルでは、Issueの認識は進みません。まずは、仮説思考(アブダクション)をとってみて、創発(アイデア)の検証をサポートしてみませんか。
「想像できないものは創造できない。」といいます。次の時代にあり続けるための事業を想像できない企業はいずれ淘汰されます。企業を成長路線に乗せるためには、社員が共有できる企業理念や事業目標が明確でなければなりません。Issueの共有認識は、企業の存続に関わる次の事業目標の達成に向かって事業活動の生産性を高めるために不可欠なことです。

当該中小企業がIssueは何なのか組織として認識する方法としてSTPDの実践を次に提言したいと思います。
☑当該企業のIssue、すなわち何が問題なのか現状認識を分解し(See)、どのように解決できるか考え(Think)、スト-リーだてしてみる(Plan)。ストーリーが納得いくものか、事業コンセプトを言葉に表してみる。
☑ストーリーを、順序だてて図表にしてみて、図表にしたアイテムを一つずつその可能性を検証し、実行してみる(Do)。

なお、中小企業が社員とIssueを共有し、STPDを実践する過程で、信頼できる経営コンサルの支援を仰ぐことは有効です。自己満足な計画倒れに陥らないようにするためです。

事業の再構築、M&A、事業承継、新分野開拓、新製品開発等をお考えの事業者様、貴社のIssueを議論するなかで、貴社に眠っている宝探しをご一緒にいたしませんか。

【ご参考】
創発力を高めれば、企業を持続的に成長させることができるhttps://drive.google.com/file/d/1i88Q88MKSz3t6RG0fFsJjr3g5HOL7gWY/view?usp=sharing

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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