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第19回 中小企業も「第四次産業革命」の流れに乗って再成長!(その3)

中小ものづくり企業の「第四次産業革命」への処方箋

前回は第四次産業革命における産学官の、主に大企業の取組み状況に付いて述べてきました。それでは中小企業はどの様に取り組めばよろしいのでしょうか?
一つの答えが、前回少し触れました官民戦略プロジェクト10の7番目、「中堅・中小企業・小規模事業者の革新」に有ります。まず7-1) 地域未来投資促進事業(中小企業のIoT・BD・AI利用、経営力向上当の支援を図る)は、予算処置として「平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」があります。この中で「第四次産業革命型」として補助上限を3,000万円まで拡大し、要件はその名の通りIoT+AIかIoT+ロボットです。「中小企業はこうあって欲しい」との政府からのメッセージですが、相当レベルが高いと踏んだのか、公募申請書の中に初歩的な「IT化に取組む企業に付いて」と言う加点項目も入っています。最後に中小製造業向けの模式図を示しながら説明します。

昨年度の「平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」に、補助上限を3,000万円まで拡大した「高度生産性向上型」に、「IoTを用いた設備投資」が有りました。重要なポイントなので詳しく見ますと、
その要件は「設備投資を行うことで、
・単に従来から行われている単独機械の自動化や工程内の生産管理ソフトの導入にとどまらず、
・複数の機械等がネットワーク環境に接続され、
・そこから収集される各種の情報・データを活用して、
1 監視(モニタリング)、
2 保守(メンテナンスサービス)、
3 制御(コントロール)、
4 分析(アナライズ)の、いずれかを行うことをいいます」とあります。

ここでの「IoT」は、平成27年版情報通信白書からの引用で定義されており、『IoTのコンセプトは、自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。これにより、製品の販売に留まらず、製品を使ってサービスを提供する、いわゆるモノのサービス化の進展にも寄与するものである。』とあり、かなり閾が高い印象だったのを今でも覚えています。

さらに7-2) ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成は、従来の「ロボット導入実証事業」通称「ロボット補助金」に関係があり、その事業目的を下記します。
A 労働生産性の向上
B 過酷作業、熟練技能の代替・支援
C 複雑・困難な作業のロボット化
D 三品産業におけるロボット活用
E サービスのバックヤード等におけるロボット活用
F 日常空間におけるロボット活用
G ロボットによる新たなサービスの実現
H システムインテグレータの機能強化(⇒ソフトが大事)
ものづくりだけではなく、多様な産業でのロボット導入を意図していることがわかります。

次に、中小ものづくり企業の第四次産業革命対応を、筆者の支援事例で説明します。

自動車部品下請A社の例
設立:1955年

社長:当時68歳(二代目)
資本金:3200万円
従業員:38名
主要製品:自動車部品の金属加工
事業形態:Tier3下請け
カーメーカーのコストカット要請で、系列内の大幅な価格低下が起きた。当社は引き続き系列に留まれたが、人員削減の結果、外観不良の品質問題が解消していない。現場管理も不十分となり、3期連続赤字となっていた。
従来、外観工程検査は、200%検査のダブルチェックを行っていたが、人員削減で実質シングルチェックとなかった。見逃し防止を目的に、外観検査の機械化を行った。具体的には、検査用カメラを導入して画像比較により、キズや打痕が有るものをはねる様にした。この方策で、外観不良が大幅に削減できた。
また本気の5S活動と現場管理教育で、業績も次第に回復し、黒字転換を図れた。

金属加工下請B社の例
創業:1960年

社長:64歳(二代目)
資本金:1000万円
従業員:18名
主要製品:金属加工挽物
事業形態:産業機械用部品下請け
産業機械製造業の元請けは労務費の安い海外に工場を展開したが、当社は企業体力から海外には行けなかった。また、台湾や中国勢の台頭で元請けの競争力も徐々に弱まり、受注単価の低下が続いている。それゆえ当社業績は赤字が続き、BSが棄損して借入もままならず、古い設備の置換え投資も行えない状況であった。
老朽化の進む設備で他社と同等品質の製品を提供できているのは、指でμ単位の寸法差を感じて加工できる技能、ワークの形状に合わせた設備の微調整を行えるスキル、と言った「匠の技」が当社の「強み」であることが判明した。
この「匠の技のデジタル化」を訴求して、ものづくり補助金の交付を受け、並行して経営革新計画により新規借入を実現して、最新鋭設備を導入できた。併せて、ベテランから若手への「技術技能の伝承」にもはずみを付けた。

A社の例は今から思えば、センサーである複数のカメラにより、外観の画像と言うBig Dataを集めて、良品データとの比較で不良を検出する、一種のIoT+AIと言えます。
B社の例である「匠の技のデジタル化」は、「第四次産業革命」の初期段階と言って差し支えないと思います。

中小企業を含むものづくり現場での第四次産業革命を、筆者が「IoT・AI・ロボット+匠の技・カイゼン=スマートものづくり」と題して、以下の模式図にして見ました。スマートものづくり日本の古くからの中小ものづくり企業には、匠の技、固有の技術、自律的な現場力、カイゼン力、チームワークと言った「知的な無形資産」、言いかえれば「暗黙知・経験知」を必ず持っておられます。「第四次産業革命」ではそれらを「デジタル化」、即ち「形式知化」して集めて(=IoT)、分析し(=AI)、Robotで繋いで、生産性向上や品質向上、原価低減に役立てることが「日本のものづくり再興」にとても重要だと思っています。

それとともに、サプライチェーンの縦の繋がりに留まらず、業種内、異業種間の横の繋がりを追究して行くことが、中小ものづくり企業の持続的な成長の鍵です。どんな中小零細企業でも、単独ではなく「繋がれば、新しい付加価値を生むことが可能」と思っています。

【結言】
1)「IoT+AI」は余り難しく考えず、情報量の多い画像や音声データにより、生産性と品質を劇的に向上可能です。例えば、画像検査装置による自動外観検査が該当します。
2)ロボットは、工程間の複数の装置に同期させる搬送ロボットの導入により、人手不足対策と生産性向上が図れます。他にも、上記ロボット補助金のA~Hもご参照下さい。
3)IoTやAIは無縁とおっしゃる小規模事業者様の場合、まずはIT導入、例えば会計システムや生産管理システムの導入(に留まらず)利活用することから始めるのが良いと思います。利活用で顕在化する課題が、IoTやAIにつながりますゆえ。

 <最後に>
IoT、BigData、AIの対象は、ものづくりだけでは有りません。日本ではサービス業の生産性が欧米に比べて約半分と言われており、IoTやAI導入が期待されています。例えば、金融関係のFinTechや介護サービス、病院の患者ケア等、応用範囲は極めて広いと言えます。一人当り消費×人口がGDPの6割強を占めますので、先進国で最も人口減少が激しく、断トツに借金が深刻な日本では、再成長は容易ではありません。しかしGDP600兆円(100兆増)を「先進国生き残り目標」と考え、第四次産業革命を革新的な生産性向上の手段とすべく、ものづくり事業部は中小企業様を支援して参ります。

 

 

 

 

 

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ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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