海外への生産拠点のシフトで何が変わるのか
一昨年からの急激な円高は、輸出依存の高い日本の製造企業にとって、価格競争力を大きく低下させる要因になりました。このため製造企業は、円高の影響を受けず、人件費の安価な海外へと生産拠点の移転が現在も積極的に進められています。
また、政府関係機関のにおいても、中小製造企業の海外進出を積極的に支援しているところもあります。
この海外への生産のシフトは、国内製造業の受注のパイの減少させることになり、さらなる厳しい価格競争を生み出し、中小製造企業には廃業が目立つようになっています。
その一方、海外の生産拠点では、生産の効率化や品質の安定、安全性など作業者への教育を行なう必要があります。このために多くの製造企業では、社員を派遣して教育にあたっています。
日本のものづくりの技術は、「カイゼン」という言葉に象徴されるように、長年の生産技術の積み重ねによって作り上げられてきました。
そして、それらの技術は、そのときの経営環境によって要求されたものでもあります。
これらの技術は、そのままを移転することも出来ますが、経済性の面から考えると、その方法が適当であるのかは確認する必要があります。
具体的な例を掲げますと、金型の仕上げ研磨工程は、国内では製造原価の中でもっとも大きな割合を占める人件費を抑えるために、できるだけ熟練作業者による時間を減らすため、機械による研磨技術への努力が進みました。
しかし、海外では高額な設備機械よりも人件費の安価な作業者に依存した方が、経済性が高いと判断されます。
このような経営環境に違いによって、経済性の面から「カイゼン」のアプローチを考えて進めていくことが求められます。


