ものづくり事業部

第44回 2020年補助金始動!

2020年度の政府・自治体予算案が確定しつつあり、今年も各種補助金公募が間近となってまいりました。
今年の補助金の特徴や主な変更点を追ってみます。

  1. ものづくり補助金
    2020年は、一般型以外にグローバル型等5類型に多様化/最低賃金要件追加と賃上げ年1.5%要件化/創業者優遇加点(3年内モノ補助交付者減点)/3か月ごと複数回採択/全面Jグランツ電子申請等が変化点および特徴です(3月~公募開始予定)。
  2. エネルギー合理化補助金
    SIIが公募する省エネ補助金以外に、エネルギー合理化補助金生産設備枠が新設されて、マシニングセンター・レーザー加工機・射出成型機・プレス機・印刷機等の最新型式が対象となります。補助率は1/3ですが、高額設備の場合は上限1,000万円のものづくり補助金よりも高額補助となり得ます。
  3. IT補助金・事業承継補助金
    2019年と類似のIT補助金および事業承継補助金が予算化されています。市販のITソフトウエア購入ならIT補助金を(A類型上限150万円・B類型上限450万円)、2017年4月以降に経営者が交代して新たな取組を行う場合は事業承継補助金(経営者交代型225万円・M&A型450万円<通常>)を申し込めます。
  4. 省エネCO2リサイクル設備高度化補助金
    廃棄物・3R財団が78.3億円の予算を基に、プラスチック&非鉄金属リサイクル事業者のマテリアルリサイクル国内循環に資する破砕・選別・洗浄・造粒等の設備投資の1/2補助を複数回募集します。
  5. 電子申請システム「Jグランツ」
    大半の補助金申請が「Jグランツ」という電子申請に統合され、「Jグランツ」を利用するためには「GビズID【gBizプライム】」を事前申請・取得する必要があります。

補助金のご相談はさいたま総研(TEL:048-859-6849/E-mail:soken@ss-net.com)まで。

第43回 先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定で、税制支援が受けられます

国は、中小企業の設備投資を後押しするため、様々な施策を用意しています。本稿では、先端設備等導入計画の認定で受けられる固定資産税の特例、経営力向上計画の認定で受けられる法人税の特例についてご紹介します。

1.先端設備等導入計画と固定資産税の特例について
先端設備等導入計画とは、中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画です。認定された事業者は、生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の軽減措置(3年間、ゼロ~1/2の間で市町村の定める割合に軽減)を受けることができます。

例えば、耐用年数12年、15,000千円の機械装置を購入するにあたり、事前に先端設備等導入計画の認定を受けていれば、固定資産税が3年間で最大約480千円軽減されます。

2.経営力向上計画と法人税の特例について
経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。認定された事業者は、計画に基づき一定の設備を新規取得して指定事業の用に供した場合、即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

例えば、耐用年数12年、15,000千円の機械装置を購入する場合を考えます。設備取得年度の税負担軽減目的なら即時償却を選択し、長期の法人税額合計を減少させる目的なら税額控除を選択します。10%税額控除なら、1,500千円の税額控除となります。但し、補助金10,000千円を受給して圧縮記帳の適用を受ける場合は、圧縮記帳後の金額(5,000千円)が設備取得価額となりますので、その10%(500千円)の税額控除となります。また、税額控除額は、その事業年度の法人税額の20%を限度とするなどの注意点があります(1年間の繰り越しは可)。

3.まとめ
先端設備等導入計画や経営力向上計画の認定による税制支援は2021年3月までの時限措置です。計画認定を受けるためには、設備投資によって労働生産性を一定程度向上させる事業計画を策定しなければなりません。先端設備等導入計画では、導入設備が先端設備等の要件を満たすことを証明する工業会証明書が必要です(経営力向上計画は工業会証明書を用いた申請方法と別な申請方法とがあります)。

設備投資を予定されている事業者様におかれましては、補助金・助成金の利用と併せてこれらの計画認定をご検討されることをお勧めします。

第42回 ルール改正の善悪

 日本代表の活躍もあり、ラグビーがとても盛り上がっている。私自身はにわかファンに入るのか否かは判らないが、大学ラグビーを25年間位見続けている。
スポーツを真に楽しむには、ルールを覚える事が不可欠である。そのルールであるが、ラグビーに関しては、かなり変更されている。例えば、トライの得点また、反則を犯した際のマイボールラインアウト、そのラインアウトの際のリフトアップなど、これによりマイボールラインアウトでモールを組み、そのままトライへ持っていける事ができる。ラグビーはやはり、トライをするシーンが最高に興奮する。それに向け試行錯誤し改良している。

私もここ5年間位趣味で中学時代にプレーしていた、卓球を始めている。卓球もルールが変わっていた。まず、得点方法だ。私が中学生の頃は21点マッチであった。現在は周知のように11点マッチだ。これは明らかに観客(見る側)を考慮した改正である。つまり、試合時間短縮を目的としたものだ。実はその一年前卓球のボールの大きさも変更されている。38mmから40mmのボールになったのだ。これも見る側を考慮した改正で、卓球で一番興奮するのは、やはりラリーが続いているときである。ボールを大きくし空気抵抗が働き、ボールが失速する事によりラリーが続き易くなるが、時間が長くなるという反面性を持ち合わす。

私の話に戻すと、この改正が行われた頃は卓球をプレーしてはいなかった。従って、このルールに対応する練習はしなかった。しかし、この頃プレーしていた選手は相当な苦労だったと考えられる。
私がプレーする様になってからもボールの変更が行われた。セルロイド製からプラスティック製に変更された。全員同時の対応とはいえ、やはり苦労した。

図1図2

 

 

この様にスポーツの根本であるルールを、選手の意見も聞かず事務方のみで改正していくのは、良い事なのであろうか?
この改正により各メーカーも苦労し対応している。これにより各種道具は技術的に進化している。例えば、先ほどのラグビーでいえば、フォワードのユニフォームは相手につかみづらい様なつくり、バックスのユニフォームはボールがこぼし難いつくりになっている。
卓球もラケット、ラバーとこの数年の進化は目覚ましい(プレーしている側からすると、単価が上がってしまい大変になったが)。選手を無視したルール改正は悪なのかもしれないが、技術革新を考えると良いのかもしれない。

最後にこの原稿に至る過程でお世話になった卓球メーカーのニッタク様には本当に感謝の意を表したい。

第41回 「中小企業を革新に導くイシューの共有(企業の宝探し)」の勧め

失われた30年と言われる平成が終わりました。この間、我々は何をしてきたのでしょうか。負の遺産を積み上げ、バブル経済に酔い、幻の高度成長を追いかけてきたような気がします。
中小企業は日本の経済に大きな役割を担ってきました。中小企業向きの仕事も十分にありました。しかし、今ではかつてのように下請けの仕事は降って湧いてきません。中小企業には今の時代を生き残るために必要な経営革新による成長が求められます。

経営内容の優れた中小企業は、事業の小さな変化を見逃さず将来の発展につなげていく絶えざる創意を凝らしています。
本稿では、中小企業を支援するコンサルタント(コンサル)に求められる、創意を促し、持続可能な「中小企業を革新に導くイシューの共有(企業の宝探し)」を提言してみたいと思います。

「いままでうまくやってきたのだから多少苦しくても現状どおりやっていた方が間違いない。」「それだけの投資もしてきたし現状を変えるのは嫌だ。」行動経済学では、このような現状維持が良いと感じてしまう心理を、現状維持バイアスとか、サンクコストバイアスと想定しています。
中小企業の経営者には苦労して会社を軌道に乗せた人が多く、現状の経営を変えることには心理的に抵抗があるようにみえます。心理的な意思決定のバイアスが解かれて革新的な経営が展開されるなら中小企業をはじめとする日本経済はもっと元気が出て、活力が生まれます。

コンサルは、クライアント企業に革新を起こすきっかけ作りとして、当該企業の存続発展のために取り組まなければならない問題、すなわち、イシュー(Issue)は何なのかを、経営者とともに突き詰めて考えてみることです。換言すれば、当該企業が潜在的に持っている宝探しのお手伝いをするのです。

現代社会は、VOCA(ヴーカ)ワールドといわれています。VOCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を集めたものです。世界中がインターネットでつながり複雑で多様な情報が錯綜しています。また、政治、宗教、気象変動など企業を取り巻く環境は変転として予測不能な状況にあります。
当該企業のIssueの認識は、置かれている状況を疑ってみることからスタートすべきです。昔の常識・理論は通用しない社会になっているからです。コンサルは客観的な情報を伝えられる有利な立場にあります。

人は様々ですからいろんな考えがあります。しかし、空理空論をもてあそぶコンサルでは、Issueの認識は進みません。まずは、仮説思考(アブダクション)をとってみて、創発(アイデア)の検証をサポートしてみませんか。
「想像できないものは創造できない。」といいます。次の時代にあり続けるための事業を想像できない企業はいずれ淘汰されます。企業を成長路線に乗せるためには、社員が共有できる企業理念や事業目標が明確でなければなりません。Issueの共有認識は、企業の存続に関わる次の事業目標の達成に向かって事業活動の生産性を高めるために不可欠なことです。

当該中小企業がIssueは何なのか組織として認識する方法としてSTPDの実践を次に提言したいと思います。
☑当該企業のIssue、すなわち何が問題なのか現状認識を分解し(See)、どのように解決できるか考え(Think)、スト-リーだてしてみる(Plan)。ストーリーが納得いくものか、事業コンセプトを言葉に表してみる。
☑ストーリーを、順序だてて図表にしてみて、図表にしたアイテムを一つずつその可能性を検証し、実行してみる(Do)。

なお、中小企業が社員とIssueを共有し、STPDを実践する過程で、信頼できる経営コンサルの支援を仰ぐことは有効です。自己満足な計画倒れに陥らないようにするためです。

事業の再構築、M&A、事業承継、新分野開拓、新製品開発等をお考えの事業者様、貴社のIssueを議論するなかで、貴社に眠っている宝探しをご一緒にいたしませんか。

【ご参考】
創発力を高めれば、企業を持続的に成長させることができるhttps://drive.google.com/file/d/1i88Q88MKSz3t6RG0fFsJjr3g5HOL7gWY/view?usp=sharing

第40回 企業経営に求められる組織マネジメント

日頃、中小企業の経営支援をさせていただいていると、多くの経営者の方々が人材育成を含めた組織マネジメントに関する課題を抱えていることがわかります。
組織や人材の整備が十分に整っておらず、場当たり的に来た仕事をこなしている、所謂、「家業的」経営になってしまっている中小企業が多く存在します。しかし、昨今、人手不足が社会的課題となり、新規採用や人材確保がますます難しくなってる状況を考えると、自社の組織運営体制の状況を客観的に分析し、社員が将来展望を持つことができ意欲的に働ける組織マネジメントを行うことが大切です。このような組織マネジメントを実現することにより、人が集まる・来たくなる企業となり、社員のモチベーション向上を通して中長期的な業績アップと企業価値の向上を目指していくことが可能となります。

1.社員・組織管理における2つのポイント「継続意欲」と「貢献意欲」
社員の離職を防ぎ、中長期的に企業価値を高める社員のモチベーションとして、「継続意欲」と「貢献意欲」が挙げられます。文字通り、「継続意欲」とは長く働き続けようという気持ちであり、「貢献意欲」とは職場をより良くしていこうとする気持ちです。これらのモチベーション向上は、社員の長期定着と人材育成の鍵になります。
では、これら2つの意欲向上には、どのような施策が有効なのでしょうか。『アルバイト・パート採用・育成入門 人手不足を解消し、最高の職場をつくる』(中原淳+パーソルグループ著/ダイヤモンド社(2016))では、25,000人へのアンケート調査結果として、「継続意欲」の醸成には研修・人材教育の充実と仕事ぶりに見合った評価の有効性、「貢献意欲」の醸成には責任ある役割を任せることの重要性を紹介しています。社員のモチベーション向上に取組む上で、おおいに参考になると考えます。

2.「学習する組織」(企業に求められる自律的な組織)
学習する組織」とは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のピーター・センゲ博士が提唱したものですが、私は、「学習する組織」を“目標に向けて効果的に行動するために集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織”として企業経営者の方々に紹介しています。組織が問題点や課題を自律的に発見し、それを継続的に修正・解決していくことができる組織づくりを目標とし、そのためにはどのような手順で組織づくりや人材育成に取組むべきかを経営者と共に考えながら支援を実施しています。

3.「学習する組織」におけるリーダー育成の重要性
集団(組織)としてのパフォーマンスを高めていくためには、やはりリーダーの存在・役割が重要です。従って、優秀なリーダーの育成が求められますが、リーダー育成には中長期的、計画的な取組みが重要です。中小企業では、リーダー候補と考えていた社員を正式に管理者として任命した途端に退職してしまったという事例もよく聞きます。リーダーとして必要な知識やスキルが備わっていない状態でリーダーに任命しようとすると、仕事管理の仕方や部下との接し方がわからずに躊躇してしまい、大きな負担を感じて退職してしまう場合もあります。従って、組織体系的にリーダーとして必要な知識やスキルを一般社員の時代から習得できる組織管理体制を整え、リーダーとしての能力が備わった後に次のリーダーとして任命できる仕組みづくりが重要です。

4.リーダーの役割と育成への取組み(「業務の見える化・標準化」の重要性)
リーダーの役割には、大きく3つの役割があります。1)仕事の遂行(目標実現のための効率的な業務遂行)、2)集団(組織)の維持(自ら考える自律的な組織としての維持)、3)仕事と集団(組織)の革新(環境変化への対応とやるべきこと/止めるべきことの発信)の3つです。これらの役割を担うためには、組織が今どのような状態にあるか見立てる能力、つまり観察できる能力が大切です。リーダーが組織の状態を十分に観察でき、問題点を発見し、自律的に改善していくことで持続的・効率的な業務遂行が可能になります。従って、経営者には、リーダーが組織の状態を観察しやすい組織構造・組織プロセスを構築することでリーダーの育成をサポートしていくことが求められます。

以上をまとめると、業務の見える化・標準化が効果的なリーダー育成にとっての基礎になるのではないかと考えます。社内業務を見える化・標準化することでリーダーは組織の状況を観察しやすくなり、問題点や効率的に改善すべき点を発見しやすくなります。40回図表


また、業務が見える化されていることにより、業務を部下に任せる権限委譲も進めやすくなります。つまり、業務の見える化・標準化が、人材育成と権限委譲を促進し、社員の「継続意欲」と「貢献意欲」を向上させる基本的な第一歩になるのではないかと考えます。「学習する組織」となるために、まずは徹底的な業務の見える化・標準化から取組んでみてはどうでしょうか。

5.管理者のための問題解決力向上セミナー
さいたま総研では、リーダーの組織観察力と問題発見・解決力向上のためのセミナーも実施しますので、「学習する組織」の実現にご利用ください。

 

 

事業部紹介

ものづくり事業部では単に製造業に限らず第一次産業でも第三次産業でも、人々の生活を豊かにする「ものづくり」機能全般にわたって企業支援をいたします。
「ものづくり」は単に、物財の製造だけを指しているのではありません。私たちは、人々の生活を豊かにし、企業に付加価値をもたらす財貨を産み出す総ての行為こそ「ものづくり」だと捉えているのです。
ものづくりの原点にかえって、それぞれの企業に適した打開策をご相談しながら発見していくご支援には、いささかの自信があります。

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